今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
銀座強盗事件にみる今の若者の考え方
東京・銀座の時計店で起きた強盗事件で、逃走したレンタカーの中から事件に使われたとみられるナイフやバールなどが見つかったことがわかりました。
8日午後6時すぎ、中央区銀座の高級時計店に覆面姿の男3人が押し入り、刃物で店員らを脅して、腕時計およそ70本を奪って車で逃走しました。
捜査関係者によりますと、逃走したレンタカーの中からナイフやバール、手袋が見つかったことがわかりました。強盗事件に使われたものとみられています。
逃走車両は、港区内でみつかり、近くで4人が邸宅侵入などの疑いで現行犯逮捕されています。
また、強盗事件の被害品とみられる腕時計や使用されたものと似た覆面が車やその近くから回収されていて、警視庁は4人と強盗事件との関連を調べています。
<5/11(木) 11:07配信 テレビ朝日系(ANN)より>
白昼堂々に行われた銀座の強盗事件。
現場でスマホで撮影している人、出口から逃げようとする犯人をドアで押し戻そうとする人、まるでテレビや映画の撮影のような非現実的な犯行に衝撃を受けた人も多いでしょう。
最近発生した強盗、窃盗事件で逮捕された若者のほとんどが10代~20代だったという情報もありますが、実行犯役の若者たちが使いやすい駒のように利用されているように感じます。
事件の黒幕や計画者たちは(存在する場合)、自分の手は汚さず、危険性も冒さず、安全なところで成果(奪った金品)が届くのを待つだけ。
ずる賢いというか、単にずるいと思うのは私だけでしょうか。
目撃者がいる白昼堂々の犯行なんて捕まるのは明らかなのに、なぜ実行犯は気付かないのだろう?という意見もありますが、「当たり前」と考える我々の認識や感覚がそもそも間違っている(古い?)ような気がしてきました。
一部の若者にしてみれば、仮面をつけているからバレないだろう、逃げれば大丈夫だろう、という単純な考えだけで、こうなったら(自分の身が)危険だとか、この状態はまずい、という考えには至らないのかもしれません。
また、罪悪感、人を傷つけない、人の財産は奪わない、という「当たり前」と言われていた感覚や考え方が欠如(変化)している人が増えているのかもしれません。
これは生活環境の変化、教育水準や環境の変化など価値観そのものが変わりつつあることも影響しているのでしょうか。
例えば、ハラスメント被害に関して。
今の時代、もしパワハラ、セクハラ被害に遭った場合、我慢して耐えなくても、スマホで音声・写真などの証拠を集め、それをSNSに掲載するだけで世界中の人に知らせる、訴えることができます。
SNSという相手と戦うための武器・手段が存在します。
我々のような古い年代にはそもそもSNSのような武器はなく、パワハラ、セクハラの被害に遭っても我慢する、もしくはその場から逃げるなど選択肢が限られていたので、今の年代の人とは考え方自体が異なるのかもしれません。
当時でも新聞やテレビを味方につけられたら、一緒に相手と戦うことができたかもしれませんが、よほど大きな事件やスクープでなければ難しい手段だったでしょう。
今は1人で戦わなくても、情報の拡散などで多くの人が味方になって、援護射撃して一緒に戦ってくれます。
相手にとってこれほどの数の脅威はありません。
様々な考え方や価値観を正しい、正しくないという二択で判断するのではなく、多様な人たちがそれぞれ多様な意見を持っていることを認識し、お互いにそれを尊重する気持ちが大切だと思います。
自分の考え方、常識だけを基準にして、これはおかしい、これは古いと判断すること自体が今の時代には合っていない気がします。
老害という嫌な言葉がありますが、まさに柔軟性に欠けた、自己中心的な人たちの言動を示す言葉です。
誰もが年を取りますが、そのことを忘れずに、いつになっても柔軟な考えを持つことができれば老害とは呼ばれなくなるでしょう。
投稿者: 総合防犯設備士 (2023年7月 7日 09:01)