今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
万引き犯を止めようとした店員を解雇? 安全を最優先
ニューヨーク(CNN) 米ジョージア州にあるスポーツウェア専門店ルルレモンの販売店で、商品の万引きに介入しようとした従業員2人が解雇された。ルルレモンのカルバン・マクドナルド最高経営責任者(CEO)は、2人を解雇した判断を支持すると表明した。
事件は4月下旬、ジョージア州ピーチツリーコーナーズにあるルルレモンの販売店で発生。フードをかぶったマスク姿の男2人が店に押し入り、入り口近くにあった商品を大量に盗んで逃走する様子が携帯電話のカメラで撮影されていた。入り口近くにいた女性店員は、何度も「出て行け」と叫んでいた。この映像を撮影したのが客だったのか、店員だったのかは分かっていない。
「盗難が起きた場合にかかわりを持つことについては、一切容認しない方針で教育担当者を訓練している。それは従業員と客の安全を最優先しているからだ」。マクドナルドCEOは2日、CNBCのインタビューでそう語り、「(盗まれたとしても)たかが商品にすぎない」と指摘した。
その上で、解雇された2人は「知っていながらポリシーを破り」、店の外まで追いかけるなどして窃盗犯とかかわったとマクドナルド氏は述べている(その後、男3人が逮捕された)。
この事件をめぐってルルレモンは、盗みを阻止しようとした店員を解雇したとして非難の的になった。しかし犯罪学を専門とするフロリダ大学のリード・ヘイズ氏は「そうした犯罪を犯すのは非常に凶暴な相手かもしれない」「従業員が介入しようとして命を落とした店もある」と解説する。
ルルレモンは6日、CNNに寄せた声明で、自分自身や他者に危害が及びかねない形で客とかかわりを持つことは一切容認しない方針だと説明した。
さらに、どれほど大量の商品であれ、従業員を危険にさらす価値はないと強調。ピーチツリーコーナーズの従業員2人は、警察に通報したことを理由に解雇されたのではないと述べ、2人は自分自身や他人に危害が及ぶ危険を冒したと説明している。ウォルマートなどの小売店では、盗みに介入しようとした従業員や警備員が死傷したこともあると指摘した。
インフレや物価上昇の影響で経済的不安が強まる中、小売店を狙う犯罪は急増している。小規模の万引きから店内の全商品を盗み出す組織的な窃盗に至るまで、小売店は大手も中小も店内犯罪増加への対応に苦慮している。
<6/7(水) 18:14配信 CNN.co.jpより>
最初、この記事のタイトルを見た時、意味が理解できませんでした。
万引き犯を止めようとした従業員がなぜ解雇されたのか? 万引き犯の共犯として疑われたのか? などと思いましたが、
盗難事件とかかわりを持つことを禁じることで、従業員と客の安全を最優先する会社の方針ということが分かりました。
正義感が強い従業員の気持ちも分かりますし、客や従業員がケガをした場合、管理責任を問われたり、損害賠償請求を問われたりするリスクを考える会社側の気持ちも分かります。
訴訟大国のアメリカならではのニュースとも言えますが、時には感情だけで行動すべきではないという教訓になります。
日本だとあまり考えられない事例ですが、今後、このような会社の方針が一般的な考え方になることは充分ありえるでしょう。
防犯対策に関しても従業員が考えるべき問題ではなく、会社側が行わなければならない義務であるという考え方もできます。
万が一盗難被害に遭った場合、従業員が責められるのは見当違いで、責任をとらなければならないのは会社側ということになります。
従業員も客も会社側が守り、安心して働ける、利用できる環境を提供することが求められます。
犯罪が起こる可能性があるような店で働きたい人もいませんし、当然利用したい客もいないことは容易に想像できます。
投稿者: 総合防犯設備士 (2023年8月25日 09:20)