今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
施錠は防犯対策と言えるか?
静岡県沼津市の飲食店に侵入し現金9万円を盗んだとして、35歳の無職の男が13日、逮捕されました。
建造物侵入と窃盗の疑いで逮捕されたのは、函南町仁田の35歳の無職の男です。警察の調べによると、男は4月下旬、夜間に沼津市の飲食店に何らかの方法で侵入し、現金9万円を盗んだ疑いが持たれています。警察によりますと、当時、店は営業時間外で、出入り口は施錠されていたということです。被害に遭った店から警察に届け出があり、事件が発覚。付近の防犯カメラを解析するなどした結果、男の犯行への関与が浮上したということです。
警察は、男が容疑を認めているかどうか明らかにしていませんが、付近では同様の被害が確認されていることから、警察は男が関与した可能性もあるとみて余罪を調べています。
<6/13(火) 15:47配信 静岡朝日テレビより>
この記事のタイトルに、「施錠されていたのに・・・飲食店に侵入し・・・」という文言がありました。
「施錠されていたにも関わらず、侵入されてしまった」というニュアンスで捉えることができます。
はたして施錠は防犯対策と言えるのでしょうか?
答えはイエスでもあり、ノーでもあります。
侵入しようとした先で扉が施錠されているという理由で泥棒が犯行をあきらめ、別の無施錠の侵入先を探すというケースもあるでしょう。
そういう意味では施錠が防犯対策として効果があった事例と言えます。
泥棒に侵入するための技術がない(扉の開錠など)、破壊時の物音を気にするなど、泥棒としては低レベルと言える存在に対しては、施錠が効果を発揮するかもしれません。
しかし、自分が泥棒になった気持ちで考えてみてください。
侵入を試みようとした先が無施錠である可能性はどのくらいあるでしょうか?
ほとんどの家や事務所、店舗では無人時に施錠をして外出します。
施錠されているのが前提で、扉を開錠するか、破壊するかして無効化し、侵入を試みようとするのが自然です。
その際、何らかの道具を準備した状態で犯行に臨むことでしょう。
防犯に携わる者として言えば、施錠は最低限の防犯対策であり、決して充分とは言えません。
守りたいもの、つまり金品や価値の高いものを保管しているのであれば、施錠以外の防犯対策も導入すべきです。
防犯カメラや防犯システムを導入するには多額の費用が必要になります。
ホームセンターで簡易的なカメラやライト、窓をロックする器具など安価な対策をとるのも個人の選択です。
一つの対策に頼るのではなく、それが破られたら別の対策で、それも破られたら別の対策と、複数の対策をとることが効果的かつ安心です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2023年9月 1日 11:05)