今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
服役中も年金は受給できる 生活苦による高齢者の犯罪増加
ある日、お腹を空かせたAさんは、いつも通っているスーパーでおにぎりを盗んでしまおうか、そんな考えがふと頭をよぎったそうです。
「知り合いに万引きで捕まって刑務所に1年半、服役をした人がいます。そんな話を聞くと、絶対にしてはいけないことだとわかるのに、衝動的にいつか本当にやってしまうのでは、と自分のことが怖くてたまらないです」
令和4年版 犯罪白書によると、全体の犯罪件数は引き続き戦後最少を更新しているものの、犯罪における高齢者率は増加を続けています。 65歳以上の高齢入所受刑者の人数は、令和3年は2,233人で、平成14年と比べると約2倍に。男性・女性ともに窃盗が最多で、特に女性高齢者の窃盗割合は87.5%となっています。
Aさんが万引きをしようと思ってしまうものは、たいていが食料品で、高額な食料というよりは、日常的に口にするものばかり。しかも、半額や割引となっているものがほとんど。
「電気代・ガス代も値上がり、食料品も値上がり。これまでと変わらず暮らしているだけなのに生活が苦しくなっています。同じ生活ができないのなら、安いものを買うしかない。こんな毎日の繰り返しで、いつ終わりが見えるのか......」
物価高という生活苦もさることながら、1人で暮らしていくという不安や寂しさも相まって、このような行為が頭をよぎる、とAさんは話します。
上記データからも、特に女性の高齢単身世帯においてこの傾向は顕著に表われています。
Aさんには、まずは生活の立て直しから始めてもらうことを提案しました。 平成27年4月から、生活困窮者への支援制度が始まりました。Aさんも、お住まいの自治体での生活相談窓口を活用し、生活の立て直しを図ることにしました。
「どうにかしなければいけないと思っているけど、どこになにを相談したらいいかわからない」という方は多いでしょう。
困ったときは下記のような自立相談支援機関での相談や、お住まいの各自治体の福祉事務所での生活相談をきっかけにしていただけたらと思います。
<12/18(月) 11:32配信 THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン)より一部抜粋>
服役中は、支援給付金や生活保護費などは支給停止になるようですが、年金は受刑者の口座に振り込まれるようです。
刑務所で衣食住の心配はありませんから、単純に考えると服役中の生活費はほぼ0円で済みます。
服役中に支給された年金は貯金しているのと同じで、出所後は自由に使えることになります。
このように考えると、万引き等の軽犯罪を犯して短期間服役し、出所後、使わなかった年金で生活を楽にしようと考える年金受給者が出てきても不思議ではありません。
年金が足りなくなれば罪を犯して服役、そして出所を繰り返すということも考えられます。
近い将来、自分が高齢者になり、家族や友人もいなくて年金だけを頼りに一人で暮らし、その年金が足りない状況に陥ったなら、上記のような考えから罪を犯してしまう可能性は否定できません。
誰にどう思われたとしても自分が生きていくためには必要だ、仕方がないと考えてしまう可能性が高いような気がします。
昨年、松坂慶子さんが主演した、孤独な高齢者が生活苦などからムショ活に真剣に取り組むドラマが放送されました。
コメディチックなシーンもありましたが、身につまされる内容が多かったと感じました。
刑務所に入るために利用される被害者にとっては大きな迷惑ですが、罪を犯すかどうかの判断が、個人の理性や罪の意識に委ねられるような状況は非常に危ういものです。
このような人たちをこれ以上増やさないためにも法令の整備などが求められます。
年金を受給できる年まで一生懸命働いて税金を納めるのは、このような状況から守られることも目的の一つでしょう。
それが出来ないのであれば国として破綻しています。
投稿者: 総合防犯設備士 (2024年3月 1日 13:23)