今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
「爆窃団」 大規模組織、別のアジア系窃盗団と同じマンションの部屋で
「爆窃団」・・・テレビなどで聞かれたことがあるかもしれませんが、
ビルの外壁を破壊するなど手荒な手口で貴金属店などをターゲットに暗躍する外国人窃盗団のことです。
百貨店などで貴金属を盗んだとして逮捕、起訴された台湾出身の男(53)が、
平成17年11月に東京・有楽町で起きた貴金属店窃盗未遂事件への関与を認める供述をしていることが分かりました。
男は壁を破って侵入する「爆窃団」のメンバーで、別のアジア系外国人窃盗団が使っていた
都内にあるマンションの同じ部屋を拠点にしていたことも判明。警視庁捜査3課は背後に大規模な犯罪組織があるとみて、
中国や香港への捜査員派遣を検討。本格解明に乗り出します。
男は今年4月、渋谷の百貨店で指輪やネックレスなど約470点(約1億380万円相当)を盗んだとして逮捕。
その後、新宿の家電量販店などで時計や貴金属類を盗んだとして再逮捕されました。
いずれもビル外壁を破壊、侵入する手口です。
有楽町の窃盗未遂事件は、17年11月9日未明、雑居ビル1階の貴金属店の壁に油圧ジャッキなどで穴を開けて侵入。
指輪など約50点を盗んだが、店内の防犯センサーが反応したため、宝石類を入れたバッグを店内に残して逃走したものです。
壁を破って侵入する手口の事件は17年4月から全国で相次いでいます。
有楽町では同年6月と7月、別の時計店と宝石店でも宝石類が盗まれた。
その後、上野で3件発生。大阪、広島、神奈川などでも起きています。
東京での犯行には、新宿区大久保の短期賃貸マンションの一室を拠点にしており、同じ部屋は、
11年に摘発された「爆窃団」や南青山の時計店や銀座の眼鏡店で腕時計などを盗んで
今春逮捕された中国人グループらも利用していました。
捜査3課は、(1)拠点が同じ(2)入国直後に犯行を即実行(3)施設から盗品がまったく見つかっていない−などから、
男の背後に事前に侵入先の選定や下見をしたり、盗品の国外運び出し役がいるなど、
海外の大がかりな窃盗組織が関与していると判断。
組織があるとみられる中国や香港に捜査員を派遣し、現地当局との情報交換や盗品の流れの捜査を検討しているということです。
想像してみてください。広東語や北京語などいろいろな言葉を使うグループメンバーが小さな部屋に出入りしては
次のターゲットに対する作戦会議や、犯行後の盗んだ商品の手配、報酬の分配などをしているのです。
映画のような感じですが、実際にはもっとドロドロとした人間模様もあるのでしょう。
以前警視庁の刑事の方にお話を聞いたところ、ピッキング全盛期、一つのマンションほとんどが外国人といったマンションもあり、
その中の窃盗団のアジトに捜査や逮捕に向かうにはそれなりの覚悟と準備(装備や人員)がいるということでした。
武器を所有しており命も危険にさらされる。日本でありながら実質日本ではない空間があるのだと思います。
やはり、外国人窃盗団は元を断たないと、どれだけ逮捕してもなくなりません。実行犯はいくらでもいるのです。
どこまで今回の中国や香港への捜査員派遣で全貌が把握できるかはわかりませんが、
少しでも圧力をかけることで「泥棒天国の日本」から脱却できればと思います。
同時に、貴金属店などももっと犯行手口に対応できるような、
より威嚇撃退効果のある防犯対策を採ることを強く望みます。
投稿者: スタッフ (2007年8月29日 10:29)