今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
感電死する可能性を省みず?6600ボルトの高圧電線を切断し盗難
みかん畑の広がる浜松市(旧引佐郡)の山間部で、送電線を切り取って持ち去る盗難事件が今月3日まで4日間で3件も発生しています。
いずれも電気の通った高圧電線を工具で切断したもので、失敗すれば感電死の危険もある荒っぽい手口。県西部や愛知県では昨年12月から、同様の被害が相次いでおり、被害を受けた中部電力は「パトロールの他に具体的な対策がたてられない」と頭を抱えています。
このうち三ケ日町下尾奈の現場は、ミカン畑の広がる丘陵地帯。夜はもちろん、昼間も人の姿はほとんどないところです。
1日午後3時から翌2日午前10時45分の間、計230メートルが切り取られました。盗難多発を受けて社員がパトロールをした合間をつかれた格好です。
電線の電圧は6600ボルト。通常のゴム手袋などでは感電は免れないということで、作業員も「そのまま切断するには相当勇気がいる」と驚いています。
高さ約11メートルの電柱は下から2メートルまでは、登るための足場もありません。
高所で作業できる「高所作業車」を使い、専門の器具で切断したと推測されています。
専門的な知識や道具がないとできない手口で、素人が真似をすると即感電死?というほど危険な内容です。
中部電力によると、県内では昨年12月以降、6カ所で電線や高圧ケーブルが盗まれ、復旧費は240万円以上。さらに、隣の愛知県では別荘地などを中心に同様の被害が40件に上り、復旧に1000万円以上かかる事態になっています。
ほとんどが普段人がいなくて停電などの被害が気付かれにくい場所が狙われているということです。
「電線用の銅の価格は5〜6年前の約4倍」という世界的な金属価格の高騰が背景にあります。
犯人が警戒の厳しくなっている愛知を避け、静岡県内に入り込んだ可能性もあるということです。
中部電力 静岡支社は現在、通常業務の合間に社員数人がパトロールをしていますが、被害のあった同ステーション管内だけでも電線の総延長は約1270キロ。通常の点検のペースでは5年に1度、1カ所にたどり着くほどの長さです。
「パトロールには限界がある。不審な人や車両を見かけたら、すぐに通報してほしい」と呼びかけています。
投稿者: スタッフ (2007年2月15日 09:16)