今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
泥棒が狙う「完全犯罪」
泥棒がプロであり、自分の得意な手口で繰り返し犯行を行っているというお話を前回いたしました。
そんな泥棒が犯行に対して願っていることは「完全犯罪」。
安全性(人目につかず犯行でき捕まらない)、容易性(簡単に侵入できる)、確実性(確実に儲けることができるということを考えて犯行に及びます。
なぜなら、泥棒はほとんどが再犯で何件、多い場合は何百件の窃盗という犯罪行為を繰り返しているため捕まると何年も刑務所の中に服役・・ということになってしまうからです。
ですので、完全犯罪のポイントの中でも、「安全性」が最も重要なポイントとなります。
人目につかないということは捕まらないことにつながるわけで、泥棒が侵入する前に最も気にしているのが「人目につかない物件かどうか」ということです。
犯行予告したり、多くの人目のある白昼堂々と犯行を行う・・・というのはやはりルパン三世くらいのもので、「コソ泥」という名前のごとく、コソコソと犯行を行うのです。
犯行前には「下見」を行い、人目につきにくいか、どの時間帯が人通りが少ないか、どの場所から侵入すると人目につかないか・・とあらゆる面から検討し、対象物件を絞ります。
日常何気ない行動中でも「無意識の下見」を繰り返し、どこには警備ステッカーがある、どこには監視カメラがある・・といったことも調査、頭の中にインプットされているんです。
だから、「たまたま道を歩いていたらつい出来心で泥棒をしたくなって侵入した」なんてことはほとんどなく、もともとそういう目で周囲を見て、たまたま人目につかない建物で、人目につきにくい場所に窓や扉があり、どうやら無人・・という条件が揃ったから侵入しているわけです。
あるコンビニ強盗は、2週間もの時間をかけて犯行曜日と時間を決定しています。
どの曜日のどの時間帯が客が少ないか、店員が交代などで手薄になる時間帯はいつか、どの曜日の店員が自分より力が弱そうか・・・「雨の日の深夜」に強盗が多いのはそういう下見の中で、侵入しやすい条件が重なった結果となっているのです。
多くの人が「うちには盗まれるものがないから大丈夫」と思っていますが、侵入しやすい建物・環境であれば狙われるのであるということをぜひ知っていただきたいと思います。
投稿者: スタッフ (2007年1月31日 09:12)