今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
運送会社地下タンクから軽油を盗む。ドラム缶30本分。福岡。
福岡県粕屋町江辻の運送会社の地下タンクから、ドラム缶30本分の約6000リットル(約62万円相当)の軽油が盗まれました。
同社は生コンクリートの運送会社で、被害に遭ったのはミキサー車などの専用給油所です。
被害には、昨年11月にも2回被害に遭っており、今回で3回目となります。
盗まれた軽油は計1万1000リットル超に上ります。
調べでは、21日午前7時すぎ、給油しようとした社員が盗難に気付き、警察に通報しています。
営業所は19日夕から21日朝まで無人で、約50メートル離れた敷地の入り口付近からポンプを伸ばし、地面にある注入口のふたを開けて抜き取ったとみられます。地下タンクはほぼ満タン状態でした。
今回が3度目の窃盗被害で、1回目が昨年11月11日から12日にかけて約2400リットル、二回目が同17日から20日にかけて約3100リットル。
この2回の盗難被害の後、同社は3つある注入口のふたの上に車や重機を置くなどしていましたが、今回は、置いていない1カ所から盗まれました。西日本新聞によると、防犯システムや監視カメラが作動した記述はなく、何も付いていなかったのではないかと推測されます。
全国で灯油や軽油、ガソリンなどの盗難が相次いでいます。
背景には軽油の店頭価格の高騰があります。
ご存知のように石油価格が高騰しており、灯油、軽油なども価格上昇。石油情報センター(東京)の統計によるとこの1年で約16%上昇しているということです。
今回の運送会社のように、ふたの上に車や重機を置いたとしても、それで万全とはいえません。
車からのガソリン抜き盗りや、車や重機そのものを盗まれるという被害も発生しているからです。
重機などは、海外にバラバラに分解されて販売される他、ATMの破壊などの犯罪に使用されることもあります。中東やアジアなどに輸出されます。
やはり、運送会社など大切な商品や備品、原材料品が屋外に置かれている場合には、「敷地の中に入らせない」という防犯対策が必要です。
泥棒(侵入者)は、目(人の目)、音、光、時間(時間がかかること)を嫌がります。 敷地の中に入った瞬間に音と光で威嚇撃退する防犯システムや、人の目を補完する防犯監視カメラなども有効です。
時間をかけさせるためには、幾十にも対策を併用することが大切です。
蓋の上に車や重機を置くというのもその一つでしょう。
いかに侵入者に対し「ここは万全の警戒をしている、防犯意識が高い」ということを感じさせ、犯罪対象から外させるか・・というのが防犯にとってもっとも大切なことです。
投稿者: スタッフ (2008年1月22日 10:51)