今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
犯罪者は自分のことを善人だと思っている
犯罪者の心理について、D・カーネギーの「人を動かす」の中で、非常に興味深い記載がありました。
アル・カポネ というアメリカ・シカゴの暗黒街のボスは「おれは働き盛りの大半を、世のため人のためつくしてきた。
ところが、どうだ。
----おれの得たものは、冷たい世間の避難と、お尋ねものの烙印だけだ」となげいていたそうです。
アル・カポネほどの極悪人でも、自分は悪人だとは思わず、慈善家であり、世間が自分の善行を誤解しているのだと大真面目に考えていました。
「二丁ピストルのクローレー」というニューヨーク犯罪史上まれに見る殺人犯は、百五十人の警察隊に包囲されピストルと機関銃の銃声の音の中で、自分のことを次のような言葉で示しています。
「私の心---それは、疲れ果てた心ではあるが、やさしい心である。
誰ひとり人を傷つけようとは思わぬ心である」。死刑になる前にも「自分の身を守っただけのことで、こんな目にあわされる・・」
といった言葉を残したそうです。
何も考えず殺人を犯した犯人がそのように自分自身を考えていたというのは非常に恐ろしくもあり、興味深くもあります。
犯罪者は自分の犯罪を正当化し、それが悪いことであったとは考えていません。
泥棒の心理も同じです。
先日も大根29本を盗んで「漬物にする大根が欲しかった」と理由を話した泥棒がいました。
又、滋賀県警高速隊の50代の男性巡査部長が辞書を万引して、「外国語に興味があっていろいろ勉強したかった。
3000円を払うのが、もったいないと思って盗んだ。申し訳ない」と話しているなど、普通の頭で考えたらとんでもないような理由をもっともらしく供述しているのです。
D・カーネギーは「人を動かす」の中で、人をうまく動かすコツとしては、人を非難するのではなく誉めるということの伏線として、「盗人にも五分の理を認める」と記載しています。
犯罪に遭わないためには、盗人の心理が常人の常識からは大きく逸脱しているのだということをきちんと把握して、自分達の常識で考えないことが大切だと思います。
投稿者: スタッフ (2008年1月30日 14:47)