今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
ソウル南大門放火で全焼。
この三連休の11日、韓国ソウルからの衝撃の映像を多くの方が見たと思います。
韓国の国宝第一号である南大門(崇礼門)で10日夜発生した火災で、南大門は11日朝までに木造の楼閣部分が全焼し、石の土台部分を残してほぼ崩壊しました。
崩れ落ちる姿を見て、多くの方が落胆し、中にはその場に泣き崩れる方もおられて、改めてこの国の中でこの建物が心の象徴であったのだと感じました。
韓国の通信社・聯合ニュースによると、捜査当局は同日、容疑者の男(70)を拘束、男は放火の事実を認めたということです。
南大門は14世紀末に建設され、国宝1号に指定されています。
火災は10日午後8時50分ごろ発生。消防車数十台が出動したが、建造物の構造などから消火作業は難航しました。発生から約5時間後の11日未明には木造部分全体が炎に包まれ、最終的に焼け落ちました。
ライターとはしごが見付かったなどの情報が早くから入っていましたが、やはり放火でした。
放火というと、私は京都大原の寂光院を思い出します。2000年にやはり放火されました。
京都を代表する建物の一つであっただけに、すごく悲しかったのを覚えています。
ソウルの南大門といったら、日本で言えば正倉院、金閣寺、清水寺と同じような建物なのかもしれません。 やはり木造の建物というのはヨーロッパの石の建物に比べて火災に弱いという面があります。
木造建物は「放火対策」が絶対不可欠です。
放火対策としては
●「炎センサー」で、炎の状態で検知することが最も効果があります。「炎センサー」とは炎の中の紫外線を検知するセンサーです。通常の火災感知器は急激な温度上昇を検知しますが、検知した時点で火災は発生してしまっています。つまり早期発見のための装置なのです。木造建物の場合、火の手が早く、それでは大きな被害が発生してしまうこともあります。
それに対して、「炎センサー」は10m先の7cmの炎を検知しますので、火災を未然に防ぐことができます。
●放火対策のもう一つとしては、夜間や休日に不審者を対象物に近づけないということです。
そのために、外周警備をして敷地内に侵入した時点で検知したり、防犯監視カメラと連動させて、画像で確認する方法があります。もちろん防犯監視カメラは「炎センサー」とも連動でき、炎センサーが炎を検知したら画像で確認することができます。
その両方をうまく組み合わせることで、大切な木造建物を放火から守ることができます。
投稿者: スタッフ (2008年2月12日 09:33)