今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
仏像マニア。気に入った仏像を窃盗。40〜50体自宅にコレクション。
仏像泥棒にも2種類あります。
一つが、換金目的で仏像を盗み、すぐに古美術商などに持ち込み換金する泥棒。
もう一つが、自分自身が仏像が好きで、自宅にコレクションする泥棒。
今回埼玉で逮捕された泥棒(46)は、後者のコレクターでした。
調べでは、男は昨年12月20日と今年1月20日、飯能市内の「萬福寺」に侵入。
本殿に安置されていた全長約30センチの阿弥陀如来像(40万円相当)と、全長約40センチの大黒天像(約20万円相当)を盗んだ疑いです。
1月20日午後4時ごろ、大黒天像をリュックサックに入れ、持ち去ろうとしたところを男性住職(59)に発見され、警察に引き渡されました。男は1月5日にも同市内の「無量寺」から全長約65センチの弁財天像(400万円相当)を盗んだと供述しています。
この泥棒。名前も善鳳(ぜんぽう)と浮世離れしています。仏教系4大学の博士課程を卒業。これまで専門学校などで講師として教えていました。自宅には仏教に関する書籍が数千冊ありました。
この書籍で仏像の写真を見て、そこで終わっていればいいものを、この泥棒は気に入った仏像を見つけると、寺に盗みに入っていたのです。
「部屋で仏像をお守りしたかった」などと供述。仏像を盗むなんて罰当たりなことをして何を言うのか、と思いますが、お守りとして?自宅からは40〜50体の仏像が押収されています。
平成17年春ごろから、東京都と神奈川、千葉、埼玉県内の寺で盗みを繰り返し、被害総額は1000万円以上に上るとみられます。
仏像の盗難は全国で発生しています。https://www.hanzai.net/temple/index.htm
昨年12月8日、岐阜県羽島市小熊町東小熊の薬師寺の本堂で、寺を管理する男性(46)が、十二神将などの仏像15体(約500万円相当)が盗難被害に遭っているのを発見しています。
この寺は普段は無人。仏像はいずれも台座を含め高さ約30センチで、本堂の観音開き扉の内側に安置されていましたが、扉は施錠されていませんでした。
お寺にとって最も大切なものが、仏像だと思います。
未だに仏像を盗む罰当たりはいない、と思っている方はいないでしょうが、重要文化財じゃないから盗まれないと思っている方は多いと思いますが、それは大きな間違いです。
泥棒にとっては、足がつきやすい重要文化財より、一般の仏像の方が換金しやすいということで盗む対象になりやすいのです
お寺は、岐阜の例にもあるように、無人寺も多く、又多くの建物が敷地内に点在していて管理がしにくいということを十分配慮して防犯対策を考えることが大切です。
●防犯監視カメラ・・・夜間も見えるディナイト機能付きのものや暗視カメラ、侵入検知センサーと一体になったカメラがお勧めです。
●赤外線センサー・・・敷地内に夜間入ってきた侵入者を検知して、ベルなどで威嚇撃退。 等
「目」「音」「光」「時間」で泥棒の嫌いな環境を作ることが重要です。
投稿者: スタッフ (2008年2月13日 09:25)