今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
地域がらみで防犯住宅 における注意事項
本日は、産経ニュース4月9日付けで紹介されている「戸建住宅における安心・安全対策」 に関して検討してみたいと思います。いろいろな不動産会社が戸建住宅に防犯システムを完備して販売を始めていることが紹介されています。
●三井不動産レジデンシャルが2月に販売を始めた戸建住宅「ファインコート武蔵野桜堤ブロッサムレジデンス」(東京都武蔵野市)。24戸すべての玄関先に訪問者や不審者を撮影する防犯カメラを備え付け、「安全・安心な住宅」を前面に押し出す。
「全戸に防犯カメラがあるというだけで、犯罪の抑止効果は大きい」と三井不動産広報部。目を引くのはカメラの映像を携帯電話で見られる有償のサービスだ。外出前に設定をすれば、カメラが検知した来客や不審者情報が逐一携帯にメールで届く。受け取った人はインターネットを介して好きなときにカメラの映像を確認できる。
●10日に完成予定の積水ハウスの「コモンアベニュー毛野 時季の街」(67戸、栃木県足利市)は、NTTドコモの「おサイフケータイ」をかざすだけで玄関ドアの施錠と解錠ができるシステムを導入した。鍵をかけ忘れた場合、携帯電話の操作で施錠できる。照明やエアコンのオン・オフも外出先から切り替えられるなど、安全性と利便性を両立させたサービスがウリだ。
●遠州鉄道(静岡県浜松市)が開発した「ベイリーフ新居」(同県新居町)は、約8万平方メートルに約380世帯が入居予定の大規模ニュータウン。街全体の防犯機能を高めるため、入り口は2カ所に限定し、出入りを監視するカメラを取り付けた。異変があったらいち早く駆けつけられるように、敷地内にある2階建てのコミュニティーセンターには警備員が常駐する。
このように、「安全・安心」をウリにした戸建住宅の発売が相次いでいます。
マンションでは、戸建住宅に先駆けていち早く「防犯マンション」を全面に出し、マンション全体の防犯カメラやオートロックなどを導入しています。入居者の入居条件の上位にセキュリティ完備がある現在、マンションだけでなく戸建住宅においても防犯完備は自然の流れ。
「安全で暮らしやすい街」を押し出し、分譲地の魅力アップにつなげたいという狙いにもうなづけます。
しかし、どんなに防犯カメラや警備員を配置しても、住民の意識が変わらないと、本当の意味での安心・安全はありません。
私の友人も首都圏に近い住宅街に戸建住宅を購入。購入した最初から大手警備会社のホームセキュリティが設置されていました。
住人としては、ホームセキュリティが欲しいと望んで設置したのではなく初めから設置されていた・・・という状態で、このシステムの使用方法に対する説明も、防犯意識を高める啓蒙も不十分。
結果、日常セットしないことも多い・・といった状況でした。
静かな住宅街。窓を開けるといい風が入るよ・・と開けっ放しにしているのを見て、私が注意したぐらいです。
やはり、防犯意識をきちんと持つよう、システムの使い方の説明も含めて販売した側の責任として行うことが必要だとその時痛感しました。
防犯意識、危機管理意識の継続こそが、本当の意味での安心・安全の提供につながる。
そしてその意識を継続していただけるようにサポートすることこそ、本当の意味での防犯のプロフェッショナルだと考えます。
ネットワークカメラで外出先からインターホンの映像を確認、お財布携帯で玄関錠前を制御、住宅街への侵入口に防犯カメラ。
いずれも、建物に近づけさせない外周警備や、室内への侵入警戒システムは付いていないようです。
「オートロックの入っているマンションの方が無施錠が多いので侵入しやすい」と豪語して、オートロック付きマンションばかりを狙う泥棒もいるのです。
中途半端に防犯システム付きで安心してしまい、かえって無防備ということがないようにすることが必要です。
「安全のある安心は最も危険である。安全のある安心は最も快適である」
というセキュリティハウスの基本コンセプトにあるように、本当の安全をきちんと提供することが絶対に必要です。
投稿者: スタッフ (2008年4月15日 10:14)