今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
高校・大学・専門学校生 親に殺意3割 「よくある」は3%
子供による親殺し・・というのがここ1、2年で何件も発生しています。
先日も女子中学生が父親を包丁で刺し、殺害しました。成績が悪い、追試などを知られたくないためといった報道も耳にしています。
そうした事件を裏付けるような非常にショッキングな新聞記事です。(以下8月11日産経新聞引用)
高校生と大学・専門学校生の約3割が親や友人に対して殺意を抱いた経験を持つことが、大阪大大学院人間科学研究科の藤田綾子教授らの調査で分かった。殺意を抱いた経験がある若者は倫理観や規範意識が低く、殺人行為に同調しやすい傾向があることも判明した。若者の「心の闇」を殺意の観点から探った初の調査で、9月に札幌市で開かれる日本心理学会で発表する。
調査は国立精神・神経センター精神保健研究所の赤沢正人研究員が、大阪大大学院在籍中の平成18年に実施。男女計900人に質問票を配布し、678人(平均年齢18・3歳)から有効回答を得た。
「親に殺意を抱いたことがある」とする回答は高校生28%、大学・専門学校生35%。頻度はいずれも「1、2回」「ときどき」の順で多く、「よくあった」は全体の約3%だった。
また、殺意を経験した回答者に親を殺害する行為についてどう思うか聞いたところ、「決して異常なことではない」「気持ちは理解できる」とする答えが、殺意の経験がないグループの回答を上回り、「人としてやってはいけない」「家族が悲しむ」などの感情は希薄だった。
一方、友人に殺意を抱いたことがあるとの回答は高校生、大学生ともに33%で、親の場合と同様に殺人を容認する傾向があった。自殺を考えたことがある回答者は、親や友人に殺意を抱きやすいことも分かった。
赤沢研究員は「本気で殺意を抱いた若者は、ごく少数の可能性があり、慎重な判断が必要」とした上で、「高頻度で殺意を抱く傾向が全体の3%にみられたことは気がかりだ。家庭や学校などでの生活背景を調べ、対策に生かしたい」と話している。
「人を殺める」ということに対する意識。まして「自分の家族を殺める」ということに対する意識がおかしい。そういう子供がそれだけいるということが非常にショッキングですし、どうなっているのかと不安を感じます。
道徳心、宗教心、そうしたものもどんどん薄れているようです。昔は悪いことをしたら罰があたる、というったことをいつも言われ、悪いことをするということに対し罪悪感を感じさせるよういろいろな機会で、話を聞いたり、教えられたりといったことがあったように思います。
昔も今も、親はうるさいもので、細かなことを言われたらそのときには腹が立つこともあるでしょう。
だからといって、それが「うざい」といった言葉で表現され、「殺害したい」「殺害したい気持ちがわかる」といったことになるというのは、恐ろしいことであり、又非常に悲しいことです。
子供を殺す親。親を殺す子供。
こうした事件がある度に、その家族の特殊事情や背景といったことが分析され、マスコミが発表します。しかし、本当の犯行を起こした動機や心の闇を知ることはできません。
しかし、ここ数年のこうした事件が多発している背景には、教育や社会の大きな問題があると思います。もういちどそうしたことを見直し、是正していかないと、日本はとんでもないことになるのではないでしょうか?
● こういちど子供との関係を見直す。子供の心の揺れに気付くことができる関係を作る。
● そのためには「家族間の会話」が重要。両親が働き子供と向き合わない。又は過度に干渉する。そうした関係を見直す。食事を一緒にとらないということをできる限りやめる。
● 家族と一緒に楽しむ時間を作る。思い出は何かあったときにも有効。「これだけ自分は大事にされたのだ」ということを常に感じることができるようにする。
● 学校や家での教育。道徳など人としての優しさや、してはいけないことなどをきちんと教える。これは繰り返し行うことが大事。
● 勉強第一主義にならない。学校の勉強ができるかどうかなんてことは社会に出たらたいしたことではない。そんなものにこだわり過ぎて子供が萎縮したり、冷静な判断ができなくなる悲劇は多い。勉強だけが大事なのではない。もっと子供の個性を、いいところを見つけ、誉めることで自信が生まれる。
こうして書くと、中・高・大学ではなく、もっと小さな時からの家族との関係が大切だということを感じます。でも遅すぎることはないはず。少しでも改善していくことで、家族も日本も変わるのではないでしょうか。
投稿者: スタッフ (2008年8月11日 11:27)