今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
個室ビデオ店放火。雑居ビルの防火対策
またも雑居ビルの悲劇が発生しました。
入れ替わるテナント 密閉性高い「個室型」(10月2日産経新聞)
■罰金1億円も効果「?」
15人が死亡した1日の大阪市浪速区の個室ビデオ店火災は、雑居ビルの防火対策の困難さを再び露呈した格好になっています。
●平成13年に発生した東京・歌舞伎町の雑居ビル火災を機に消防法が改正され、より防火対策の徹底が求められるようになったが、その後も雑居ビルの火災による死傷者は後を絶たない。繁華街ではテナントの入れ替えが頻繁で指導が徹底しきれないほか、個室型店舗では構造上の欠陥も指摘されている。
13年9月、歌舞伎町の雑居ビルで火災が発生し、客や従業員計44人が死亡。これを機に改正消防法が施行され、事前通告なしに消防が立ち入り検査できるようになった。また防火対策を怠った場合の罰金が最高1億円に引き上げられた。
しかし、その後も雑居ビル火災は相次ぐ。
●昨年1月には兵庫県宝塚市のカラオケ店で8人が死傷した火災が発生。翌2月、総務省消防庁は全国のカラオケ店で立ち入り検査を実施し、約7割で消防法令違反を確認。その後の指導もあり、同年12月の調査では違反が約3割にまで減ったものの、カラオケ店など個室型店舗で防火対策が十分でない現状が裏付けられた。
今年7月には消防法施行令が改正され、従来300平方メートル以上の店舗が対象だった自動火災報知機の設置をすべての個室型店舗に義務化し、1日に施行されたばかりだった。
ただ「繁華街ではテナントの入れ替えが激しく、新しく入居したテナントが法令違反をするなど、いたちごっこが続いている」(東京消防庁関係者)との声もあり、指導の難しさも浮き彫りとなっている。
防火対策が徹底されない現状とは別に、個室型店舗は密閉性が高く、防音設備が整っているなどの構造上から、利用者が火災に気付きにくいという防災上の問題点がある。
今回の個室ビデオ店では、
国土技術政策総合研究所防火基準研究室の成瀬友宏室長は「店側が個室内の状況を把握しづらく、喫煙など火気管理を徹底できないケースも考えられる。逃げ遅れた人、寝込んでいる人も把握できず、避難誘導が困難になる恐れもある」と指摘する。
同店の建物構造が被害を拡大させたと思われます。
●ビデオやDVDを並べた陳列棚エリアと試聴用の個室エリアに分かれている。個室エリアは店内西側の約4分の3を占めるが、店外への直接の出入り口はなく、客はビデオやDVDを店内東側の陳列棚エリアで返却した後、ようやく店外へ出られる構造になっていた。
●個室エリアの通路は幅約1・6〜1・2メートルと狭く、人がすれ違うのがやっと。
●外開きのドアが一斉に開くと通路をふさぎ、避難できなくなる構造。
●このうなぎの寝床のような構造
●消防法が定めた消火器や屋内消火栓、火災報知機などの消防用設備は適正に備えており、消防法上明らかな欠陥は見つかっていないが、窓がない構造の「無窓居室」は、建築基準法で排煙設備を設置するか、防火性能の高い建材を使用するよう定められているにもかかわらず、個室エリアには小さな明かり取りが1つあるだけで避難口となる窓や排煙設備もなかった。
●店内に黒煙が立ち込め、天井や壁が激しく焼損。防火性能の高い建材を使用していなかった可能性が高い。
(10月1日産経新聞より一部抜粋)
なかなか進まない防火対策。
火災の場合、火災感知器や煙感知器はある程度火の手があがってから検知するもの。すでに火災は発生してしまっています。
やはり、炎の状態で検知できる炎センサー。
火災発生をできる限り速やかに各個室のお客様に連絡する緊急連絡システム。
確実に建物から誘導するための誘導システム。
そうしたシステムが必要です。
火災・放火対策
個室ビデオ店火災・放火対策
投稿者: スタッフ (2008年10月 2日 11:18)