今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
学校が狙われている。相次ぎ盗難。何故??
「学校に侵入して窃盗」
ここ数日だけでも学校に侵入して何かを盗まれた、というニュースがこんなに掲載されていました。
いったい何故こんなに学校が狙われているのでしょうか?
●学校のDVDレコーダー盗んだ中学生逮捕 四国中央市(11月27日 産経新聞より抜粋)
愛媛県警四国中央署は25日夜、窃盗の疑いで、四国中央市の市立中学校3年の男子生徒(15)を逮捕した。調べでは、生徒は今年4月から10月にかけて、校内にあったDVDレコーダー4台(20万円相当)を盗んだ疑い。3台がリサイクルショップで売られ、1台は知人に譲渡していた。
●高校野球部室で窃盗繰り返す=沖縄大部員ら4人を逮捕−浦添商ら被害・沖縄(11月26日時事通信より抜粋)
夜間に高校の野球部室に忍び込み、グローブなどを転売目的で盗んだとして、沖縄県警浦添署は26日までに、窃盗容疑で、沖縄大学の19〜20歳の男子学生3人と元学生(19)を逮捕した。4人とも同大の野球部員だった。いずれも容疑を認め、「グローブなどが高値で売れることを知っていた。4月ごろから10月にかけて県内12高校で計22回盗みを繰り返した」と供述しているという。
調べによると、4人は9月中旬から10月下旬にかけて、野球の強豪校で知られる浦添商業高校など3校の部室からグローブなど計14点(約26万5千円相当)を盗んだ疑い。
●55歳教諭が学校の新品運動具盗んで売る(11月23日 スポーツ報知より抜粋)
警視庁綾瀬署は22日までに、学校内で部活動の運動用品を盗んだとして、窃盗の疑いで、都立足立高校定時制教諭で国語科のK容疑者(55)を逮捕した。容疑を認めているという。
調べによると、菊地容疑者は8月下旬、定時制の生徒会室に保管してあった野球グラブ、バレーボールネット、ストップウオッチ、陸上競技用の円盤など22点(約9万3000円相当)を盗んだ疑い。
高校によると、盗んだのは購入直後の新品ばかりで、インターネットオークションに出品。「すべて売った」と話している。部屋の鍵を勝手に持ち出して忍び込んだとみられ、高校が9月上旬に被害を届け出ていた。
●<窃盗>高校野球部からグラブ、バットなど盗みネットオークションに 容疑の大学生逮捕(11月21日毎日新聞より抜粋)
旭川中央署は20日、道立旭川北高校の野球部部室から現金や野球用具を盗んだとして、旭川市と上川管内東神楽町の19歳の私立大学生2人を建造物侵入、窃盗容疑で逮捕した。
道高野連旭川支部によると、同市内では今月6日から高校の野球部を狙った窃盗事件が9校で相次いでおり、2人は同署の調べに対し、市内の5校のほか札幌、江別市でも盗みを繰り返したことを認めているという。
調べでは、2人は今月7日午後6時45分〜翌午前9時半の間に旭川市花咲町4の道立旭川北高校の野球部部室に侵入、現金約6万2000円の入った財布や野球用品7点(時価計約2万6000円相当)を盗んだ疑い。ネットオークションに盗品と同じ練習用グラブが出品されているのを捜査員が発見し、2人を割り出した。
●京大理学研究科に防犯カメラ設置 相次ぐ盗難で全館出入り口などに(11月25日 京都新聞より抜粋)
京都大理学研究科(京都市左京区)は25日、全館の出入り口などに防犯カメラ計26台を新たに設置したと発表した。6月に同研究科の教授室からパソコンが盗まれるなど今年に入って盗難事件が相次いでおり、「犯罪被害の抑止力を高めるため」と説明している。
同研究科によると、防犯カメラは既設の4台に加え、理学研究科の6つすべての建物の1階出入り口付近に設置し、撮影した映像は2週間分保存する。21日から運用を始めており、主に夜間や休日に稼働させる。10月の教授会で増設を決め、学生自治会と職員組合も承認した。
1月以降、理学研究科ではパソコンの盗難や置き引き、金庫荒らしなどの盗難事件が計10件発生した。京大の研究科で、全館にわたって防犯カメラを設置したのは初めてという。
盗まれたモノというと、DVDレコーダー、野球道具(グローブなど)、パソコン、現金など。以前にも吹奏楽部の楽器が盗まれネットオークションに出されたのが見付かってことがありましたが、本当に学校での盗難は増えているのです。京都大学理学研究所では今年10件ですから異常というべき件数です。
何故こんなに学校が狙われるのか?
やはり、それには理由があります。
学校が狙われる第一の理由は、「警備が甘い」ということ。
小学校などは池田小学校の殺傷事件以後、門扉には防犯カメラを設置しているところが増えましたが、さて、校内に入ってしまうと、まだまだ「錠前」だけで保管していることが多いようです。
ある泥棒は「学校は警備が甘いので侵入しやすかった」と豪語しています。
高校、大学と上に行くに従い、より侵入しやすいようで、大学などは、夜間も含めいつでも誰でも自由に校内に入ることができます。
ある泥棒は作業着姿で窃盗に行き、声をかけられると「間違って違う学校に来た」と言いつくろっていたようです。ほとんどその言い訳で逃れられたということですから、一般的な会社・店舗などに比べ信じられないほど「警備が甘い」「防犯意識が希薄」であると言えます。
もう一つ学校が泥棒に狙われる理由は「換金できるものが沢山ある」ということ。
パソコン、野球のグローブ、楽器、実験道具、薬剤、DVDレコーダー・・と今は何でも換金できる時代であることが学校泥棒に拍車をかけています。
中古店に転売、ネットオークションで販売など、いろいろな方法で現金に換える事ができるため、泥棒にとっては宝の山、ワンダーランドなのだと思います。
そうした泥棒に対する対策としては、
● 錠前だけの防犯はやめる。最低限補助錠などを付ける。
● 鍵の保管方法を見直し、厳重にする。
● 防犯システム、防犯カメラシステム、入退出管理システムなどを設置し、認められた人だけが自由に出入りできるとともに、誰がいつという記録を実施する。画像でも記録する。といったことが重要です。
● パソコンなど盗まれやすい商品には持ち出し防止システムを設置する。
学校の防犯対策
投稿者: スタッフ (2008年11月27日 11:01)