今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
「振り込め詐欺+空き巣」劇場的窃盗
窃盗犯の手口もどんんどん進化していますが、新な手口が埼玉などで発生しています。
それは、息子を装う「オレオレ詐欺」の手口で現金を用意させ、外出を誘った後に空き巣に入り、用意させた現金などを盗むという手の込んだものです。
●14日から16日にかけ、蕨市の無職男性(74)方に息子を装った男から「株取引に失敗した。現金200万円を用意してほしい」と電話があった。男性は現金を用意したが不審に思い、16日夜にJR西川口駅前で会う約束をして外出。相手が来ないため約20分後に帰宅すると、窓ガラスが割られ、室内から現金約200万円が盗まれていた。
●14日午前11時ごろ、蕨市に住む無職の男性(80)方に次男を装った男から「仕事の失敗の穴埋めで現金が必要」と電話があった。男性が現金を用意し男に連絡すると、「外で食事をしよう。物騒だから現金は持ってこなくていい」と言われた。男性は外出したが連絡が取れず帰宅すると、窓ガラスが割られ、たんすなどにあった現金約255万円と貴金属が入った金庫が盗まれていた。
●川口市の無職の男性(81)方にも同様の電話があった。男性が現金約200万円を用意して外出し、帰宅すると、商品券や指輪が盗まれていた。
●川口市の無職女性(55)方にも16日、長男を装った男から「仲間に借りて証券を買った。返さないといけないので100万円貸して」と電話があり、女性は現金を用意して帰宅。「あと40万円必要になった」と言われ、指示通り郵便受けに100万円入りのポーチを入れた後、再び現金を引き出しに行った。帰宅すると現金がなくなっていたという。長男に確認し、被害に気付いた。
いずれも、従来からの「オレオレ詐欺(振り込め詐欺)」と同様、電話で子供を装い、「事業に失敗した」などで急に現金が必要ということを信じさせるところまでは同じですが、ここのところ「オレオレ(振り込め詐欺)」に対する銀行など金融機関での防止策などでなかなか振込みや引出しが難しくなってきていることから、「現金を用意させ、外で待ち合わせる」ということで持参させないようにして、不在にしてから空き巣に入り、用意させた現金などを盗むという手口です。
木造2階建て住宅の1階窓ガラスをドライバーのようなもので割って入る手口が似ており、同一犯ではないかと思われます。
たぶん、電話で会話する人間、外出したのを確認する人間、空き巣に入る人間と分業化し、夫々が作業をして犯行を行っているのだと思います。
今後振り込め詐欺はこういう形態が増えてくると思われますので、注意が必要です。
●振り込め詐欺対策として、息子などを装ってお金が急に必要といった話はすぐに信じないことが大事です。息子に連絡を取り確認する、誰か信頼できる人に相談するということを速やかに行い、不審な場合には警察に連絡しましよう。
●離れて生活しているご両親には定期的に連絡を取り、コミュニケーションを取ると同時に、連絡先をきちんと教えておくことが大事です。高齢者などの場合は特に注意が必要です。
●高額現金を自宅に置かない。金庫の過信も止めましょう。金庫は燃えない貯金箱「防火金庫」であることを認識して、通帳や印鑑、権利書など重要なものをまとめて保管することをやめましよう。
●外出時には「不在」であることが外から分からないようにすることが重要です。室内照明を点灯し、ラジオをつけておくなども効果があります。夜になっても洗濯物を外に干しっぱなしにしないなどにも注意しましよう。だからといって、施錠をしないということがないよう、きちんと施錠をして出かけましょう。
●錠前を破壊工作に強いもの(CPマーク付き)に換えたり補助錠を扉や窓につけましよう。防犯フィルムを窓ガラスに貼るのも効果があります。
●窓や扉の開閉を検知してベルを鳴らす防犯システムを設置するとより効果的です。
投稿者: スタッフ (2009年1月19日 09:57)