今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
タクシーが窃盗犯の片棒かつぐ。送迎や見張りを行う。
以前足を薄利骨折した時、名古屋のタクシーは親切にも歩けない私に代わってコンビニに弁当とヨーグルトを買ってきてくれ、宿泊先のホテルまで送り届けてくれました。
しかし、大阪府堺市のタクシー会社に勤めていた運転手2名(61)(65)は、窃盗グループの片棒をかつぎ、犯行現場までの送迎を行うとともに、こともあろうに空き巣の見張り役まで行っていました。
調べでは、両容疑者は昨年10月、窃盗グループの中国人数人を、同県生駒市の80代の女性宅付近までタクシーで送迎したうえ、見張り役を務め、手提げかばん(約7万円相当)を盗むのを手助けするなどした疑い。
警察が事件当日、窃盗グループの中国人の男1人を出入国管理法違反(不法残留)容疑で現行犯逮捕。供述などから両容疑者らによるタクシー送迎が発覚し、1月8日に逮捕しました。同署は残りのメンバーの行方を追うとともに、余罪があるとみて追及しています。
(1月26日 産経新聞より引用)
2人は「不況で売り上げが少なく、生活が苦しかった。大阪、兵庫、奈良で送り迎えした」などと供述、タクシー料金に報酬を加え、1回あたり数万円を受け取っていたと供述しています。
生駒市内では08年、空き巣などの侵入盗が約160件と多発しており、同署は一部にこのグループが関与した可能性があるとみて捜査しています。
日本人が窃盗団に加わることは多いのですが、運搬役や情報屋になることが多いようです。
タクシーの運転手を仲間に加えることで、自分たちの取り分が増えるとともに、タクシーなら犯行中その周辺に停車していてもさほど不思議に思わないというメリットもあるように思います。
逃げ道にも詳しいでしょうしね。
泥棒は夜、自動車に乗りながら「下見」をします。夜になると住宅街も、オフィス街も昼間とはまったく別の顔になります。昼間あんなに人通りがあった場所も閑散としているということも多々有ります。
そうして「いかに人目につかないか」「どういう経路で侵入すると簡単で安全か」という視点で周囲を見回し、対象とする物件を決定するのです。
もちろんその時に、「どんな防犯対策をしているのか」「この時間でも不在かどうか」なども見て周ります。防犯カメラが付いているかどうか、警備会社のステッカーが貼ってあるかどうかも昼間の散歩中や買い物中、自転車に乗っているときでも注意して見ています。
ある刑事さんは「ミズスマシのような無意識の下見」といった表現をしていました。
そうした泥棒に対して、下見の時点で「ここはやめておこう」という気持ちにさせることこそ防犯対策にとっては最も大切なポイントなのです。
泥棒の好きな環境をやめ、泥棒の嫌いな環境を作りましょう。
投稿者: スタッフ (2009年1月27日 11:23)