今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
爆窃団 たった1メートルのすき間から壁に穴 銀座の宝飾店強盗
「爆窃団(ばくせつだん)」。聞きなれない言葉だと思いますが、壁に穴を開けたり破壊して店舗に侵入する外国人窃盗団のことです。
4日午前11時半ごろ、東京都中央区銀座1の宝飾店「SELBy(セルビー)銀座店」に出勤した男性店長(48)が、金庫室の耐火性金庫(高さ1メートル)がこじ開けられ、貴金属約130点(4900万円相当)と現金約100万円がなくなっているのを見つけ、110番しました。
金庫室の壁に外から直径約1メートルの楕円(だえん)形の穴が開けられており、警視庁築地署は侵入窃盗事件として捜査を始めました。
同署によると、銀座店はビル(鉄筋コンクリート7階建て)の1階にあり、展示室と金庫室があります。犯人は隣接するビルとの幅約1メートルのすき間から金庫室の壁に油圧ジャッキなどで穴を開け、侵入したとみられます。
銀座店では2日午後8時半ごろ、店長が金庫に宝飾類と現金を入れて帰宅。
3日は休業日で、4日午前11時半に店長が出勤するまで無人でした。
金庫室内には防犯カメラがあり、解析を進めています。(2月4日 毎日新聞より引用)
壁に穴を開ける侵入窃盗事件としては、昨年10月に宇都宮市のデパートで約1600万円相当の貴金属類が盗まれており、関連を調べています。
爆窃団の場合、複数の人間による組織的な犯罪で、見張り役、実行犯、運搬役と分業化しています。
多くが外国人が実行犯になることが多く、武器を持っているケースが非常に多いです。
侵入手口そのものも、「壁に穴を開ける」「壁を破壊する」「車でシャッターを破壊する」「車でショーウィンドウにぶつかり割る」と非常に過激、少々の音がしようがおかまいなしの方法を取ります。
そして「短時間化」が最大の特徴。ストップウオッチなどを持ち、警備員など人が駆けつける前に現金や商品などを持ち去ります。
ショーケースや金庫も破壊されるなど短時間化のために破壊も荒っぽくなります。
武器を持っていますからうかつに素人が声をかけたりも難しいし、危険があります。
こうした窃盗団に対しては「犯行を継続させないようにする」ということが必要で、そのためには、その場に長居できないようにすることです。
フォグガードという防犯装置があります。侵入検知センサーが侵入を検知すると霧を噴射する装置です。
この霧で数十秒後には店内は真っ白となり、ほとんど視界をなくすことができます。本当に足元も見えなくなります。
人畜無害で、パソコンなどにも影響を与えることはありません。
そうした装置と、ベル・サイレンを組み合わせることで、泥棒を長居させず、退散させる。
そういう威嚇撃退方法を取ることがこの爆窃団対策として必要です。
この宝石貴金属店では、4900万円相当の商品などの被害がありましたが、壁の修復、営業できない間の売上ダウンなどを考えるともっと大きくなると思われます。
この長引く不況はまったく先行きが見えない不安を多くの人に与えています。
これからますますせっぱつまった人間による「ハイリスク・ハイリターン」な犯罪が増えます。
コンビニ強盗やタクシー強盗の急増はその一部だと思います。
そうしたせっぱつまった人間に狙われないように防御するしかないのだということをぜひ知っていただきたいと思います。
投稿者: スタッフ (2009年2月 5日 11:32)