今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
高額金庫破り、金庫盗難が続発。
金庫は燃えない貯金箱だと言っているのに、日本全国で金庫破りや金庫盗難が発生し、高額の被害が出ています。
●11日午前2時20分ごろ、千葉県松戸市のパチンコ店の警報装置が作動、駆け付けた県警松戸署員が店内の金庫から売上金3231万5000円がなくなっているのを確認した。同店は10日午後11時に閉店。従業員は11日午前1時40分ごろ帰宅、無人だった。
● 9日午前3時ごろ、福井県鯖江市東鯖江4、スーパーマーケットに、数人が1階事務所の窓ガラスを割って侵入し、事務所内にあった大型金庫(高さ1・4メートル、重さ200キロ)を奪い、複数の車で逃走。金庫には売上金約1200万円と、約200万円分の商品券が入っていたという。警報装置が作動してから、警備員が駆けつけるまでの約8分間に盗み出していた。
●滋賀県竜王町弓削のグリーン近江農協灯油配送センターから昨年11月に顧客台帳11冊が金庫ごと盗まれた事件で、4月9日、見つかっていなかった台帳3冊と金庫を、同町川守の日野川堤防で見つけました。盗まれた台帳のうち8冊は、3月27日に同じ堤防で見つかっていた。金庫はバールのようなものでこじ開けられており、中に入っていた現金1万5000円は見つかっていない、という。
金庫に機密書類や台帳、契約書などを入れてあった場合、金庫ごと盗まれ泥棒にとってはただの紙屑ということで書類が捨てられることもあります。
そうなると、機密書類が公になってしまい、信用失墜などにもつながります。
金庫ごと持ち去る手口はスーパーマーケットやパチンコ店など大金の入っている可能性のある店舗や事務所などで多発しています。
福井県のスーパーマーケットの場合には警備員が駆けつける8分の間の犯行でしたが、5分以内に犯行を終わることも多く、数名での犯行の中で、ちゃんとストップウオッチで時間を計る担当者もいるんですよね。数名で台車などで運ぶようです。
こうなってくると、やはり入られないように対象から外させることを考えるしかありません。
防犯の場合、侵入者に対する心理作戦も重要です。
ピッチャーがバッターを打ち取るためにいろいろな球種を織り交ぜて裏をかくのと同じです。
いくら松坂太輔が早いボールを投げるからといっても、どのコースにどの球種で投げるのかを事前にバッターに話していたとしたらぐんと打たれる可能性は高くなります。
最初はストライクに見えるボール球のカーブを投げて、次に高めにスライダー、最後に低めのストレート・・・・と投げる前にピッチングを組み立てますよね。
同じように、侵入者に対して、いい防犯対策というのは「見せる防犯、隠す防犯」を駆使しながら、「いったい全部でどんな防犯装置が付いているのだろう」と感じさせ、「こんなところを狙うのは損だ。やめよう」と思わせることが大切なんですよね。
そこには防犯のプロと窃盗のプロの目に見えない駆け引きなどがあるわけです。
そのために、我々防犯に携わっている人間は泥棒の心理などを研究するわけです。
同じセンサーを使用していても防犯設計をする人間によってセンサーの付ける場所、位置、付け方などが大きく違ってきます。屋外検知の赤外線センサーなどは特にいかに侵入者に警戒ラインを見せないかがポイントとなります。
そういったところがやはり防犯専門業者とそうではない会社との違いです。
防犯対策にもポリシーが必要で、きちんとしたポリシーのある、考えのあるシステムがやはり効果の面で勝っています。安かろう・・といった中途半端なものではプロの泥棒に対し十分ではありません。
投稿者: スタッフ (2007年4月11日 13:45)