今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
建仁寺仏像窃盗犯 実名でホテル宿泊などずさんな手口
京都の建仁寺から木造十一面観音座像を盗んで逮捕された男(59)ですが、その手口はかなりずさんなものだったようです。
事件当日、実名で現場近くのホテルに宿泊したり、現場を2時間以上もうろついたりしていたようです。
1月31日午後1時25分ごろ、拝観客を装って建仁寺を訪ね、他の客がいなくなったすきに内陣へ侵入。
近くにあった座布団を5〜6枚重ねて仏像を下ろし、コートでくるんだが、足が出ていたので失礼に思い、白いジャケットで隠した。と供述しているようです。
その後、着衣でくるんだ仏像を抱え、2時間半後の午後3時50分ごろ外へ出ました。
駐車場に向かい、止めてあった自分の車に仏像を載せて、近くのホテルに直行。(ホテルには実名で宿泊)
方丈と駐車場の防犯カメラには仏像を抱えて歩く姿や車が映っており、車両の特徴が身元を割り出す重要な手掛かりになったということです。
東寺、毘沙門堂でも仏像を盗んだことを認めているようですが、自宅には盗品と思われる21体もの仏像が置かれていたことから、その犯行は計画的なものだったと思われます。
仏像盗難は全国で多発していますが、その背景には寺社における管理体制、防犯対策が問題とも言われています。
仏像をきちんと管理しておらず、盗まれたことに2ヶ月経っても気がつかなかった寺もあったようです。
オークションで売りさばくこともできますし、海外のコレクターへ転売されることもあるようです。
仏像には管理番号等がありませんから、盗品が発見されてもどこの寺の何という仏像か分からないことが多いようです。
また、仏像から台座を切り離してしまうと、それこそ何という仏像か分からなくなってしまうようです。
防犯対策として、警備員や監視員の見廻りや防犯センサー・防犯カメラの設置などが有効とされていますが、費用は限られていますし、参拝者に疑いの目を向けるのも気が引けるという寺社が多いようです。
しかし、今回の手口のように、泥棒は参拝客を装って犯行するものです。泥棒か参拝客かを見分けるのは至難の業です。
防犯センサーや防犯カメラなど「機械の目」による監視を行うことで、のちに犯罪の証拠ともなりますし、犯行を事前に思い留まらせる抑止力ともなりえます。
お寺・神社のセキュリティ(防犯対策)
寺・神社の犯罪事情
また、弊社の総合防犯設備士である植村が朝日新聞の取材を受けました。
<3月3日朝日新聞地方版より一部抜粋>
『防犯機器販売会社セキュリティハウス・センター(京都市)の植村光代課長は、「仏像盗」の主な動機は収集と換金に二分されると分析。「海外では高額で販売され、最近は換金目的が多い」と話す。』
投稿者: スタッフ (2009年3月 4日 10:54)