今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
CIS−CATS(シス・キャッツ)
CIS−CATS(シス・キャッツ)ってご存知ですか?
今年1月より全国の警察で運用を始めた情報分析支援システムのことです。
何をするものかというと、犯罪の検挙のために発生日時や場所、侵入手口などのデータを入力すると、近くで起きた類似事件がディスプレー上の地図に表示されるもののようです。
このCIS−CATS(シス・キャッツ)を使って新人刑事がお手柄を上げたニュースが掲載されていました。
●大垣署:新人刑事がお手柄 シス・キャッツで窃盗容疑者を検挙、県内初 /岐阜
(5月16日毎日新聞より引用)
昨年10月に大垣署刑事1課に配属されたばかりの新人刑事巡査長(29)が、今年1月に全国の警察で運用を始めたばかりの情報分析支援システム「CIS−CATS(シス・キャッツ)」を駆使するなどして窃盗容疑者検挙につなげた。同署によると同システムでの容疑者検挙は県内初。全国でも珍しいという。
巡査長は3月22、23日に大垣市内で連続発生した出店荒らし事件で同システムを活用。結果を基に4月初めの未明、犯人が出没しそうな地域を上司と警戒捜査。1台の不審車両を見つけ、ナンバープレートから所有者を割り出す一方、証拠を固めて今月11日の容疑者逮捕につなげた。
巡査長は06年4月に任官し、同年10月に大垣署に配属され、交番勤務などを経て昨秋に希望の刑事になった。祖父も父も警察官で、父は岐阜中署刑事1課の現職刑事。以前から同システムに興味を持っていた巡査長は事件発生後、勤務時間外もシステムにデータを入力するなどして分析する一方、現場を回るなどしてきた。
25年ぐらい前元刑事さんから聞いた話では、侵入手口からその侵入手口を実行する過去の窃盗犯を推測し、その行動を分析し、尾行したり、バイクや自動車の走行距離から犯行現場との関係を推測したり、出されたゴミから証拠を集めたり、次の犯行場所を推測するということでした。
時代が変わり、まさにその犯人逮捕のための捜査を、データ入力して検出で行えることで、分析も速く今後の検挙率のアップにもつながるのではないかと思います。
しかし、反面、入力するデータがきちんと分析されたものでなければ意味がありません。例えばガラス破りの手口でも、どういう割り方をしたのかということがきちんと把握できないとその違いはなかなかは明確にはなりません。
また、ここのところ急増している「生活苦による犯罪」の場合には前科がない場合も多く、その場合にはこのシステムは有効となりません。
先日過去のDNA鑑定の結果が覆されるというニュースがありましたが、そうしたことがないようにすることが重要です。
犯罪を予防するのも、犯人を検挙するのも「人」が主体であることに変わりはありません。
このCIS−CATS(シス・キャッツ)を駆使して犯人逮捕した巡査長は、パソコンなどの得意な現代っ子ですが、そのDNAには、祖父、父と続いた刑事魂が脈々と流れているのだと思います。
投稿者: スタッフ (2009年5月19日 16:16)