今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
万引き補導少年への聞き取り調査。66%が「巡回ならしなかった」
警視庁によると、書店やスーパーなど万引が予想される都内の小売事業者の19年の販売額は約14兆2700億円。ここに万引による損失率などをかけて計算すると、万引の被害推定額は約670億円に上ります。18年の振り込め詐欺被害額は約60億7千万円で、約11倍にもなります。
これが東京都内だけの数字ですので、全国となるとどのくらいか想像がつきません。
そんな万引きに対して埼玉県警では補導少年への聞き取り調査を実施しました。
●万引き:「店員の目」防犯効果 巡回ならしなかった66%
◇県警「短絡的な動機目立つ」
県警少年課は、万引き容疑で逮捕、補導された少年へのアンケート調査を初めて実施し、結果を公表した。
・53%の少年が「見ているうちに欲しくなった」と回答し、県警は「短絡的な動機が目立つ」と分析している。
・66%は「店員が巡回したり、声を掛けられたらやらなかったと思う」と回答しており、店側の対策のヒントになりそう。
県内で逮捕、補導された少年196人から回答を得た。内訳は中学生59%、高校生26%。75%が男子。71%は万引き時に現金を持っていた。
場所はスーパーが24%で最多。次いで多いホームセンター、デパートを合わせると60%に上った。
・75%が店員や他の客の目が届きにくい「店舗奥」で万引きしていた。
・店を選んだ理由は59%が「買い物中にほしくなった」としているが、中には「友達から万引きしやすい店と聞いた」「店員や警備員が少ないから」との回答もあった。
「どのようなことがあったら思いとどまったか」との設問には、
▽「店員から声を掛けられる」(28%)
▽「どこにいても店員から見える」(21%)
▽「店員が巡回している」(17%)
としており、「店員の目」の防犯効果が大きいことが分かった。
県警によると、万引き犯全体での少年の割合は、99年の51%から08年には29%と減少傾向にある。だが、少年の内訳は、99年が高校生46%▽中学生35%だったのに対し、08年は高校生34%▽中学生46%と逆転している。
(12月5日 毎日新聞より引用)
●万引は被害届などの処理に時間がかかることから、店舗側が被害を申告しないケースも多く、警視庁幹部は「警察が把握している被害は、ほんの一部」と話す。
このため、警視庁は今年11月から、被害届の様式に「穴埋め方式」を導入。
さらに警察官が店舗に出向いて処理をするなどして、手続きを簡素化した。
2日に警視庁で開かれた官民合同会議には、書店やドラッグストア、スーパーなどの業界17団体が参加。米村敏朗警視総監が「社会総ぐるみの取り組みを展開し、万引をさせない社会を作っていきましょう」と呼びかけた。
今後は、広報、調査研究、教育研修など5つの委員会を同会議の下部組織として設け、少年向けの倫理教材作りなど具体的な対策を検討していく。
(12月2日 産経新聞より引用)
「万引きをいかに予防するか」は店舗の利益を確保するために絶対に必要です。
「万引き倒産」といったことが実際に発生するようです。
現在のように、売上が毎月前年割れ、縮小傾向にあり、売れる物の値段も安いものが売れるという時代では、万引きによるロス率をいかに下げるかが死活問題になってきます。
一方では、従来中学生、高校生が主体であった万引きに高齢者層が急増しているといったことがあります。
いずれにしても店舗での巡回や声かけ、又死角のない店舗レイアウト、防犯カメラ・防犯ミラーの設置など防犯対策を実施することが大切です。
万引き防止対策
投稿者: スタッフ (2009年12月 8日 09:46)