今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
爆窃団による銀座宝石店3億円の手口と犯人6人。
新年早々ニュースを賑わしていた「爆窃団」。東京の貴金属店「天賞堂銀座本店」で高級腕時計約200点(3億円相当)が盗まれた事件で、弊社も報道ステーションやニュースFINEにて防犯のプロとして取材を受けました。
この侵入手口は、
●侵入用の穴は高さ約70センチの部分にあった排煙口のふたを外し、鉄筋コンクリート製外壁を壊して50〜80センチの大きさに広げられていた。
●隣接するビルの外壁には、穴のほぼ正面に四角いへこみとひびがある。
●警察は約70センチのビルのすき間にジャッキを設置し、圧力をかけて、壁を破壊したとみている。
●石膏(せつこう)ボードの内壁には切り取られたように穴が開いており、複数の手段で壁が破られたとみられる。
●穴の付近ではオートバイ用のビニールカバーと長さ約80センチのプラスチック製の棒も見つかった。作業を隠すためとみられ、ビルのすき間に渡した棒にカバーを掛けていた。
この犯人である香港人ら男女6人逮捕され、腕時計、2億円相当分押収されました。
●東京の貴金属店「天賞堂銀座本店」で高級腕時計約200点(3億円相当)が盗まれた事件で、香港警察は9日、香港人の男女5人と中国人の女1人の計6人を盗品処分の疑いで逮捕し、約180点の高級腕時計(2億円相当)を押収したと発表した。
会見した組織犯罪捜査課の幹部によると、容疑者は男女各3人。このうち50代の男3人が実行犯とみられる。女はいずれも30代で、実行犯の妻もしくは女友達だという。
香港警察が日本から郵送されて来た大量の腕時計を調べたところ、製造番号が同事件で盗まれたものと一致。7日から8日にかけて6人を逮捕した。男3人は昨年12月中旬、日本に入国し、今月4日に香港に戻っていた。
押収した腕時計のうち、約100点は既に2日に起きた銀座の事件で盗まれたものと確認されたという。 (1月9日 時事通信より引用)
仲間割れしたとのニュースも掲載されていました。
10日の時事通信では
「香港では1990年代から、大型の油圧ジャッキで商店の外壁に穴を開けて侵入する手口の窃盗事件が頻発。しかし、対策が強化されたため、一部の犯行グループは日本など外国を狙うようになった。
盗んだ腕時計などは製造番号から盗品であることが発覚しやすいので、警察の捜査能力や市民の防犯意識が高い香港は避け、取り締まりが緩い中国本土で売りさばくケースが多いという。
各紙によれば、本土には盗品の闇市場があり、盗まれた腕時計や宝石が原価より数割安く売られている。「顧客」はほとんどが資産家で、買った盗品を転売したり、質店に持ち込んだりすることはないため、警察に察知されにくい。」
といったこの犯罪の背景分析が掲載されていました。
香港では対策が強化されたので、防犯意識の低い日本で暗躍する爆窃団。
そして防犯意識が低く、盗品の闇市場のある中国本土で売却。
中国の富裕層がターゲットとなっています。
こうしたプロの窃盗団が日本にやってきては稼ぎ、盗品を持って本国に移動しているのです。
「短時間化」「分業化」「凶悪化」しているその手口。
従来の警備システムが入っていてもその盲点をついたり、駆けつけまでの短時間に犯行を終了させたりしています。
もはや「これだけ入れたら侵入されない」とはこの爆窃団に対してはいえません。
いかに「被害を最小にくい留めるか」という観点から防犯対策を強化することが必要です。
「簡単に犯行を継続させない」ということを行うことが必要です。
窃盗団が嫌がる可能性のあることをいくつも組み合わせる事で、「時間がかかる」「物が盗みにくい」「逃げにくい」「なんか不安」「ここはやめよう」という気持ちにさせることです。
「なんかものすごい防犯システムがついているみたい、この後どうなるんだろう??」
なんて気持ちにさせることが大切なのです。
その方法として、「霧の噴射により視界を遮る」という方法をお勧めします。
この霧は人畜無害。店舗面積に合わせて噴射時間を調整することで、本当に真っ白になり自分の指が見えない、という状態になります。
以前設置した宝石貴金属店。それまでにも警備システムが設置していたのに何度か侵入されていました。そこで侵入を検知すると霧を噴射し、サイレンを鳴らす、という防犯対策を追加されました。
そして結果、「泥棒があわててショーケースで手を切った」ということで、被害を最小に抑える事ができたと非常に喜んでいただきました。
宝石貴金属・ブランド品の防犯対策
投稿者: スタッフ (2010年1月 9日 17:31)