今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
文化財Gメン新設 仏像など盗難増に対応
今朝の話題に挙がったのですが、来春より文化庁が思い切った取り組みを始めるようです。
これで海外への流出が少しでも食い止められるのを期待します。
"文化庁によると、都道府県教委が把握した二〇〇七年度の文化財盗難は二十件だったが、〇八年度は四十件、〇九年度は四十五件に急増した。被害品は弥生土器、こま犬、経典とさまざま。最も多いのは仏像で、〇九年度は被害の九割を占める。昨年十月に福岡市の寺から盗まれた国の重要文化財「木造聖観音坐像」など、国や自治体が保護対象に指定していた文化財は三年間で十一件。他は未指定の文化財だった。
未指定文化財は写真などの資料が少なく、売却しても手掛かりが残りにくい。防犯設備のない無人の寺社にあることが多く、狙われやすい上に発覚も遅れる。文化庁の担当者は「仏像などは海外で美術品として人気があり、指定文化財かどうか関係なく、闇ルートで流れる。最近は若い女性も注目するほどブーム。国内でも"需要"が高いのでは」と危ぶむ。
文化庁は総合対策を担うGメン「美術品危機管理対策専門官」を来年度に新設する方針で、警察や消防との情報交換や監視態勢づくりに乗り出す。教委に防犯態勢を指導したり、未指定文化財の資料作りを進めたりするよう、研修も担う。専門官は同庁職員や文化財に詳しい人から登用し、将来は三、四人で構成する考え。
このほか、国指定文化財の被害を防ぐため、防犯・防災設備の設置を促す制度の拡充を検討。現在、設備費の50~85%を補助する制度があるが、百万円未満は対象外のため、三年の期限付きで少額補助できるよう見直し、警備システムの完備を目指す。
文化財所有者でつくる「全国国宝重要文化財所有者連盟」(京都市)の事務局は「文化財の多くは、地域で拝まれてきた仏像や地蔵。未指定の物は、所有者の確定や費用がネックになって盗難対策が難しい。地域が協力し、防犯費負担や見回りをして守ることも必要だ」と話している。"
【2010年8月28日 東京新聞より抜粋】
近年、特に仏像は人気が高まり、昨年は奈良県・興福寺の阿修羅像が人気を集めていました。
こういった像は、お寺や神社、信仰者にとっては神聖なものであり、それゆえに盗難の憂き目に遭う、という事は今まであまり心配していなかったのではないでしょうか。
ところが近年、信仰の対象である仏像は美術品としても認知され、悲しい事に盗難の対象となっています。
普段は無人の寺社も多いことから、発覚するまでの期間が遅れるケースもあり、盗難しやすい恰好の環境だと思われているのでしょう。
防犯カメラによる対策がベストですが、予算的に厳しい...という際には、下記のような対策も有効です。
* 無施錠のところからの侵入による被害が多いため、必ず破壊工作に強い錠前を付け、施錠することを習慣にしましょう。
* 無住の寺社の被害が多く、発見が遅れると、被害が拡大するため、特に注意しましょう。
* 地域での防犯パトロールを実施し、「防犯意識が高い」ことをPRしましょう。地域住民や門徒、氏子などとの連携をすることが大切です。
* 常日頃より何か異常が発生した時の連絡網をきちんとつくっておきましょう。
* 仏像、ご神体、狛犬、掛け軸などは写真を撮り、特徴などを記録させておくこと。万が一盗難されても手配ができるようにしておくことが大切です。
* 放火対策としては、燃えやすいものを建物周辺に放置しないことが大切です。
* 壁などへのいたずら書きや窓ガラスの割れたのを放置しないこと。防犯意識が低いと思われ、次の犯罪を誘致することとなります。
【防犯のセキュリティハウス:寺社仏閣の防犯対策】
投稿者: スタッフ (2010年9月29日 11:49)