今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
「捕まらないから繰り返す」 福山大教授 万引き犯の心理分析
"福山大の平伸二教授(犯罪心理学)は、福山東署が万引の容疑者に実施したアンケートを基に動機や規範意識を分析した。主に「捕まらない」との理由で犯行を繰り返す実態や各世代の動機の特徴が浮かび上がり、同署は万引の抑止に生かす。
アンケートは昨年1~6月に実施した。万引の犯行を認めた少年84人、20~59歳の成人24人、60歳以上の高齢者27人の計135人を対象に調べた。
中国新聞に興味深い記事が掲載されていました。
犯罪心理学の教授による、万引き犯へのアンケート分析です。
少年(84人)、成人(24人)、高齢者(27人)の3グループ(計135人)に分けてアンケートを実施、世代ごとの回答を分析したところ、動機の特徴などが見えてきたそうです。
紙面から「万引きの犯行動機」を抜粋してみると、下記のようになります。
【少年(19歳まで)】
「所持金が足らなかった」(48.8%)
「所持金を使うのがもったいなかった」(30.0%)
「スリルなどのゲーム感覚」(10.0%)
「友人に誘われて断れなかった」(8.8%)
「盗んだものを売って現金を得たかった」(2.5%)
【成人(20~59歳)】
「所持金を使うのがもったいなかった」(48.0%)
「所持金が足らなかった」(36.0%)
「盗んだものを売って現金を得たかった」(12.0%)
「スリルなどのゲーム感覚」(4.0%)
【高齢者(60歳以上)】
「所持金を使うのがもったいなかった」(79.2%)
「所持金が足らなかった」(12.5%)
「スリルなどのゲーム感覚」(8.3%)
"動機についての問いでは、少年は「所持金が足らなかった」が48.8%で最多だった。「所持金を使うのがもったいなかった」(30.0%)の割合がほかの世代より低い一方、「スリルなどのゲーム感覚」(10.0%)が目立つ。3世代で唯一「友人に誘われて断れなかった」(8.8%)との回答もあった。
成人と高齢者はいずれも「もったいなかった」が最多で、高齢者は8割近くに上った。平教授は「少年は友人との遊び感覚、高齢者は生活への不安がうかがえる」とみる。
万引への考え方を聞くと、「犯罪だとは思っていない」の回答は全世代でゼロ。繰り返す理由は、「捕まらないから」が少年73.4%、成人39.1%、高齢者41.7%と各世代とも最多だった。"
【中国新聞 2月12日より】
教授の分析結果は非常に興味深いものです。
これは広島で行われたものですが、全国規模で同様の事を行っても同じような結果が出るのではないでしょうか。
特筆すべきは成人・高齢者の回答で一番多いのが、「所持金を使うのがもったいなかった」という動機です。
手元にお金があるにも関わらず、「捕まらないから」と万引きをしている事がうかがい知れます。
万引きに対しては、防犯カメラ、万引き防止システム、防犯ミラーなど防犯装置・システムによる対策と併行して、店舗側の防犯に対する姿勢や従業員教育などソフト面の対策も実施することが大切です。
投稿者: スタッフ (2011年2月12日 09:58)