今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
事務所荒らし犯逮捕 連続犯か? 奈良
"建設事務所から現金を盗んだとして、県警捜査1課と奈良署などは26日、窃盗と建造物侵入の疑いでいずれも無職の22才、27才の男を逮捕したと発表した。
逮捕容疑は6~7日、奈良市和田町の建設会社の事務所の窓ガラスを割って侵入し、現金約1万7千円やブレスレットなどを盗んだとしている。
県警によると、県内では今年1月以降、同市や大和郡山市などで事務所荒らしが相次いでおり、関連を調べている。"
【産経新聞 4月28日より抜粋】
奈良県内で事務所荒らしが相次いで起こっているようです。
今回逮捕された犯人が関わっているかはまだ分かりませんが、引き続き注意が必要です。
事務所荒らしは侵入窃盗の14.1%を占めており、一般住宅・マンション等の集合住宅に次ぐ多さです。
多額の現金があるような場所ではないのに、なぜ狙われるのでしょう。
以下に理由を書き出してみます。
・事務所は会社の休日には無人となり、侵入しても人に出くわす可能性が少なく見付かりにくい。
・事務所の業務が終了した後の夜間は無人のため人に出くわす可能性が少なく侵入しても見付かりにくい。
・ビジネス街などは夜間無人となるため、大型の破壊機器を使用して少々音がしても誰も不審に思わない。
・日曜、祝日にはビジネス街はほとんど無人ビルとなり人通りが少ないので発見されにくい。
・大金はなくとも、パソコン・ノートパソコンがあり、中古市場やネットオークションで換金できる。
・パソコン内の個人情報などデータを販売することもできる。
・大型金庫の中に、預金通帳やカード、手形、小切手、株券・高速券・商品券など有価証券などがある。複数の窃盗団により数十キロの金庫ごと盗まれる場合も多い。
・新商品情報など機密情報を狙っての犯罪もある。
・従業員が退職しても鍵を交換していなかったり、鍵の置き場所やパスワード等を変更していないことが多い。その鍵を使用して侵入し犯行を行う退職者もいる。
上記のように、探してみるといくつもの理由が挙げられます。
万が一、現金だけでなく新製品や経理データ、顧客などの機密情報が盗まれてしまった場合、「情報漏えい事件」として大々的に報道されてしまい、社会的な信用を失うだけでなく、賠償問題に発展してしまったケースも過去には起こっています。
そうなってしまえば金額だけで片付けられる問題ではありません。
すでに防犯対策の済んでいる所でもガラス破壊センサーを追加するなど、被害を最小限に食い止めるための定期的なシステム見直しも必要です。
投稿者: スタッフ (2011年4月28日 10:40)