今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
ライブハウス放火未遂事件 惨劇を繰り返さないために
"東京都渋谷区のライブハウスに8月31日夜、ガソリンがまかれた事件で、殺人未遂と現住建造物等放火未遂容疑で現行犯逮捕された無職の男(23)(大阪府茨木市)が現場で取り押さえられた際、「インターネットの動画投稿サイトの利用者が集まるイベントが行われていたので、狙った」と話していたことが同店への取材でわかった。
警視庁は、男が放火し、無差別大量殺人を行う場面がネット上に公開されることを狙った可能性があるとみて調べている。
同店によると、店内では当時、動画投稿サイトの愛好者がカラオケなどを楽しむイベントが開かれていた。イベントの様子は、店側がビデオで撮影していたという。捜査関係者によると、男は8月20日頃に上京して、都内や川崎市のネットカフェなどを転々とし、事件直前に現場近くのガソリンスタンドでガソリンを購入していたという。"
【読売新聞 9月2日より抜粋】
こういった事件を目にするたびに、歌舞伎町のビル火災事件を思い出します。
あの事件が発生したのは10年前の9月1日。皮肉な事に9月1日は防災の日です。この火災で、44名の犠牲者が出ました。
出火原因は放火説が有力視されているようですが、未だに分かっていないということです。
歌舞伎町ビル火災で問題となったのは、火災報知機の電源が切られていたことと防火扉が作動しなかったことです。
火災報知機は誤作動が多く、電源を切られており、また、一部の店舗では火災報知機ごと天井を内装材で覆っており、作動できない状態であったことが分かっています。
防火扉の周りには酒瓶やおしぼりなどの備品が積み上げられ、階段口もふさがれ避難ルートが全くなかったようです。
この事件を受けて消防法が大幅に改正、こうした雑居ビルにおける火災報知機設置義務や消防署による立ち入り検査が強化され、現在は厳しい基準となっています。
今回のライブハウスへガソリンをまいた男は、その場ですぐに取り押さえられましたが、もしもひと気のない場所にガソリンをまいて放火されていたら・・と考えると、なにごともなく本当によかったと思います。
こういった場所は不特定多数の人々が集まり、出入りもある程度自由にできます。
出入り口や裏口などには防犯カメラを設置し、火災報知機の電池や取り付け場所なども見直しを行い、少しでも早い初期対応ができるような態勢を整えておく必要があります。
投稿者: スタッフ (2011年9月 2日 10:49)