今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
万引き男 飼い犬を現場に置き去りにして逃走
コンビニでガスボンベなどを盗んだとして兵庫県警西脇署は4日、窃盗の疑いで兵庫県西脇市日野町の無職の男(51)を逮捕しました。
事件があったコンビニの店外には、ダックスフントがつながれたままになっていて、同署は周辺の聞き込み捜査から、飼い主の男を割り出し、行方を追っていました。
逮捕容疑は4月27日午前6時15分ごろ、西脇市寺内のコンビニで、ガスボンベやチョコレートなど5点(約2千円相当)を万引したとしています。
同署によると、男は容疑を認めているという。
男は犯行を店長に見られ、店外につないでいた飼い犬のダックスフントを置き去りにして逃走。
犯行後は、自宅に帰らず野宿を続けていたといい、4日に社署に出頭しました。
<産経新聞 5月4日(金)23時51分配信より>
間抜けな万引き犯の犯行です。
万引きを行った店舗で、犯行を見られたため、愛犬(?)を置き去りにして逃走、その後、周辺の聞き込み捜査から、飼い主が割り出されてしまったという事件です。
衝動的な犯行なのでしょうか、犬を店外につないでいたぐらいですから、大事な愛犬だと思います。
それを置き去りにして、ガスボンベやチョコレートなど2千円相当を盗みました。
結果として、損をしてしまったような犯行結果です。
最終的には、愛犬は失わなかったものの、逮捕されてしまったわけですから、2千円で逮捕されるというのは割に合わない結果でしょう。
普通、犯罪者は、危険性とその成果を比較します。
逮捕されるかもしれないという危険性と、その犯罪を犯すことで得られる成果、対価(現金や商品など)を比較し、それだけの価値があるかどうかを常に見極めます。
今回の場合は、明らかにその価値が無かった、衝動的な犯行と言えるでしょう。
しかし多くの場合、犯行はより計画的に、よりち密に行われます。
事前に犯行現場の下見を行い、自分が捕まる危険性があるかどうかを確認します。
すなわち、防犯カメラや防犯センサーなどの障害があるかどうかを確認するのです。
防犯カメラがあれば、仮に犯行が成功しても、自分の映像が記録されている可能性がある訳ですから、結果として逮捕される危険性が高まります。
防犯センサーの場合は、ベルなどの威嚇装置が働き、その場での犯行が継続できないだけではなく、周囲に知られてしまいます。
不審者として顔や姿を見られてしまう危険性が高まります。
このような「障害」はできるだけ避けようとします。
泥棒だって捕まるのは嫌だからです。
防犯対策が効果を発揮するのは、実際に泥棒の犯行を直接阻止することだけではありません。
防犯対策が行われていることによって、見えない部分で、泥棒がその場での犯行を思い留まっているケースも多くあると思われます。
それが目に見える部分、成果として現れることは少ないので、防犯対策の効果が分かりにくいということもあります。
実際には防犯対策を行うことで、まだ犯行として行なわれていない犯罪者から守られているということもあるのです。
投稿者: 総合防犯設備士 (2012年5月 7日 18:41)