今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
通り魔殺人 防犯カメラで防げるか?
男女2人が殺害された大阪・心斎橋の通り魔事件は、大勢の買い物客が行き交う休日の繁華街で起きました。
警察庁によると、通行人らを無差別に狙った凶行は、昨年末までの10年間に全国で67件に上ります。
事件は10日で発生から1か月。
通り魔の出現を防ぐ術(すべ)はないのでしょうか。
◇戸惑い
「防犯カメラ終日作動中」事件が起きた「清水通」の街灯のポールに、こう書かれたのぼりがはためきます。
東西約500メートルにある防犯カメラ16台は「心斎橋清水通商店街振興組合」が設置。
昨春、商店主約20人が毎週金曜の夜にパトロールを開始。
昨秋からは毎晩、警備員を巡回させてきました。
現場の東約250メートルには、南署もあります。それでも事件は起きました。
「対処のしようがない」。理事長(65)は、戸惑いを隠せません。
街頭犯罪対策として、府警は3月末現在、繁華街を中心に426台の防犯カメラを設置。
4年前に比べて6倍近いですが、ある府警幹部は、男(37)が「人を殺せば死刑になると思ってやった」と供述したことを挙げ、「死刑になるつもりの犯人に、防犯カメラによる抑止効果を期待するのは難しい」と漏らします。
◇実効性
過去の通り魔事件の現場でも、苦悩が続きます。
1999年に路上で8人が殺傷された東京・池袋。
現場には防犯カメラ約10台が設置されましたが、地元商店会関係者は「実効性には限界がある」と漏らします。
7人が死亡、10人が重軽傷を負った2008年6月の東京・秋葉原の無差別殺傷事件では、中止された歩行者天国の再開を望む地元電器店街などと、治安悪化を懸念する住民らが話し合いを重ねました。
防犯カメラ設置やパトロール、電器店員が店頭から目を配る「店頭警備」などの実施を決め、歩行者天国が本格再開されたのは、11年7月でした。
住民らの防犯グループ「アキバ21」の(78)は「再び事件が起きたら誰が責任を取るのか。地域ぐるみの監視体制を強化し、不審者侵入を防ぐしかない」と強調します。
<読売新聞7月9日(月)7時53分配信より>
通り魔殺人が防犯カメラを設置することによってその抑止力が働き、その場での犯行を防ぐことはできるか?
この答えは、犯人次第ということになります。
犯人が自分の犯行が発覚されるのを恐れ、自分の姿が防犯カメラに映ることを嫌えば、抑止力として働くでしょう。
しかし、今回大阪で起こった通り魔事件に限らず、犯人が死にたい、死刑になりつもりだった、どうなってもいいなどと死を恐れない、警察に捕まることを恐れない者だったら、どんな対策を行っても無意味です。
どんな対策を行ったところで、犯人がその気になれば、少なくとも数人は確実に殺すことができてしまうでしょう。
テロリストも同じです。
死を覚悟したテロリストの犯行を防ぐことは容易ではありません。
妊婦が爆弾を抱えて向かってくるというケースもあるようです。
その場合、事前に犯人として怪しむ事、警戒する事すら難しいでしょう。
残念ながら、通り魔もテロも防犯カメラだけでは防ぐことはできません。
しかし犯罪者というのはこのような過激で死を恐れない者ばかりではありません。
一般の人のように、警察に捕まり、刑務所に送られることを嫌がり、自分が死ぬことを恐れる、こう感じる犯罪者がほとんどでしょう。
我々と感覚としては同じですから、自分が犯罪者になったつもりで、自分が嫌がることを実践すれば効果的です。
防犯カメラや威嚇機器がついていればやっかいです。映像が記録され、周囲に気付かれ、騒ぎになります。
その時に自分の顔を見られれば、逮捕されるきっかけとなるでしょう。
それらを防犯対策に活かせば効果を発揮します。
投稿者: 総合防犯設備士 (2012年7月10日 18:20)