今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
盗難多発で保険に加入できないオートバイ
30年前に生産を終了したホンダのオートバイ「CBX400F」(400cc)の盗難が相次ぎ、所有者が盗難保険の加入を拒否される事態となっています。
今も市場では発売当時の10倍の価格で取引される人気車で、盗難率も他車種の3倍との情報もあります。
全国のバイク盗難件数は昨年で約6万7000件に上っていますが、特定車種のみが保険加入できないのは異例です。
中古バイク専門店などによると、CBX400Fは40歳代のファンを中心に根強い人気を誇ります。
人気絶頂の頃に生産が終了したことで希少価値が高まり、古いブランド車に乗るようなステータス感も生まれているといい、生産当時の販売価格48万円が、現在は平均で150万円前後。
状態の良いものだと500万円で売買されています。
盗難も全国で多発しているとされます。
車種別の盗難件数の統計はありませんが、車台番号が改ざんされて転売されたり、解体されて補修部品にされ、ネットオークションに出品されたりして出回るケースが多いという。
バイクの盗難保険を取り扱うロードサービス会社大手「JBR Motorcycle」(名古屋市)によると、CBX400Fに乗る顧客が盗難に遭う割合は一般車種の3倍で、昨年には、提携先の損保会社から、この車種についての盗難保険契約を拒否されたようです。
保険加入できない車種はほかにはほとんどなく、JBR社関係者は「CBXに乗る人のほとんどは保険に加入できない状態」と話します。
<読売新聞9月6日(木)15時5分配信より>
他の車種に比べ盗難に遭う危険性が3倍という、泥棒に大人気のオートバイが盗難保険の加入を拒否されるという異例の事態になっているということです。
ほぼ同じ保険料で保険に加入してもらっても、被害に遭う可能性が3倍ということでは、保険会社としてもメリットがないという判断でしょう。
保険会社も利益を上げるために行っている商売ですから、損になる危険性が高いと分かっていることは避けるのが当然です。
30年前に生産終了し、当時の販売価格から現在は3倍近くの価格で取引され、状態のよいものなら10倍以上の価格になるというオートバイのようです。
保険の場合、時価での補償ということになりますから、今の価格3倍が保険金で支払われているのでしょうか?
これだけ人気の車種なら、メーカーの方で生産を再開すればよいのでは?と考えるのは素人の考え方でしょうか。
採算が合わない、特殊な技術が必要、部品の生産が終了している、30年前のものだからこそ人気が高い(今生産しても別物になる)など、理由はあるのでしょう。
もし生産を再開し、誰でも自由に低価格で手に入れることができるようになれば、盗難率も下がるのでは?と思ったのですが、そんな単純な話ではないのかもしれません。(30年前の物が狙われ続けるのは変わらないかもしれませんし)
ファンの間で人気が高まる ⇒ 泥棒に狙われる ⇒ 価値が上がり、さらに人気が高まる ⇒ さらに泥棒に狙われる、という悪循環を繰り返しているような感じです。
純粋にそのオートバイが好きな所有者としては、期待もしていないのに勝手に価値が上がり、泥棒にも狙われやすくなるというのは一方的で迷惑な話です。
しかも保険にも加入できないということですから、本当にそのオートバイを守るのは自分しかいません。
盗まれないように工夫し、その対策を講じるしか方法はありません。
ワイヤーロック、チェーンロック、ハンドルロックなどありますが、オートバイごと盗まれる可能性もあります。
半屋外ではなく、シャッター内に保管する、防犯カメラも設置し、オートバイを動かせないように固定するなどいくつかの対策を併用する必要があります。
おそらく一つの対策だけでは、多くの泥棒から守ることはできないでしょう。
オートバイを盗みだすのは大変、侵入するのは大変だと思わせる環境をつくらなければなりません。
投稿者: 総合防犯設備士 (2012年9月11日 10:20)