今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
茨城 敷鉄板(しきてっぱん)の盗難相次ぐ 高値で売買、特定も困難
無舗装や地盤が弱い道路などを補強する「敷(しき)鉄板」が工事現場などから大量に盗まれる被害が水戸市内で相次いでいます。
高値で売れることから狙われやすい一方で、被害品特定など捜査は困難を極めるといい、水戸署は「鉄板同士を溶接するなど盗難に気をつけてほしい」と注意を呼びかけています。
同署によると、9月1~3日、水戸市百合が丘の工事現場で、敷鉄板57枚(時価680万円相当)が盗まれました。
同月22~24日には、同市鯉淵町の資材置き場で、敷鉄板15枚(時価150万円相当)やパワーショベルなどが盗難に遭いました。
近くで10月27~29日にも会社敷地内に敷いてあった敷鉄板127枚(時価825万5000円相当)などが盗まれました。
盗まれた鉄板は、いずれも縦6メートル、横1・5メートル、幅22~23ミリで重さは1・5~1・8トン。
金属買い取り業者やリサイクル店で1枚当たり数万円という高値で売れることから、複数人でクレーン付き大型トラックなどを利用して大量の鉄板を短期間で盗む犯行が多いという。
犯行は現場の作業員がいない夜間や早朝、休日などの時間帯を狙い、作業を装って行われるケースが多いため発見が困難。
さらに鉄板には識別番号が付いておらず、被害品の特定が難航しがちだという。
同署は街頭パトロールを強化した上で、建設業者らに▽敷鉄板同士を溶接して持ち運びにくくする▽鉄板に企業名や連絡先を記載する▽工事現場内などにロープを張る--などの対策を呼びかけており、「敷鉄板の売り込みなどの情報や不審者を見つけた場合は、すぐに110番してほしい」としています。
<毎日新聞11月18日(日)10時55分配信より>
敷鉄板なるものの盗難が増えているようです。
これも金属盗難の一つの手口でしょう。
他の金属同様、鉄板に管理番号や識別番号が有るわけではないでしょうから、仮に盗まれても、それが元々誰が所有していたかを区別することは難しいでしょう。
よほど特徴があるとか、特殊な金属や材質だと話は別ですが。
高値で売ることができ、現場が無防備なことが多く、さらに盗んだ品の被害特定が困難となれば、泥棒にとってメリットばかりです。
強いて言えば、盗むために大掛かりな機械や技術が必要となること、盗んだ物を運搬する手段が必要となることでしょうか。
ただ、これも同じ業界内で仕事をしている者の手を借りれば、簡単に犯行を行うことができます。
あとはターゲットを見つけるだけです。
警察が現場にロープを張るなどの対策を呼び掛けてはいますが、現実的な効果はあまり期待できません。
現場付近を頻繁にパトロールするなど、人海戦術と採ることが可能ならば効果はあるでしょうが、一日に一回、三日に一回のパトロールだけでは抑止効果としても低いでしょう。
泥棒が計画的に下見を行い、パトロールの時間帯も計算して犯行を行った場合、今日のパトロールが終わったから次は早くても明日、と判断し時間を掛けて犯行を行うことができることもあるでしょう。
一番効果的だと思われるのが、工事現場に防犯システムを導入することです。
防犯センサーや防犯カメラを設置し、侵入者に対して直接的な威嚇・撃退を行うと共に、映像を記録するという対策です。
このような対策が導入されていれば、下見段階でその存在が分かりますから、あえてそこで危険を冒そうとする犯罪者は少ないだろうというのが効果の一つにあります。
ただ、欠点も多くあります。
現場が電源供給できる環境ではない、対策にお金を掛けられない(予算がない)、工事が短期間で時間や手間を掛けていられないなど色々と考えられます。
じゃあ、どうしたらよいのか、ということになりますが、簡単に盗み出すことができないように努力するしかありません。
盗むためには手間が掛かる、時間が掛かると泥棒に思わせるような環境を人工的に作り上げるしかありません。
お金を掛けて対策を行うのか、手間や時間を掛けて対策を行うのか、判断するのは経営者の方ということになります。
お金を掛けて対策をしても、被害に遭ってしまうことはあります。
結局は確率の問題です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2012年11月21日 16:41)