今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
出所したばかりの男、またひったくりで捕まる
東京・町田市で、自転車の前かごからバッグをひったくったとして、41歳の男が逮捕されました。
男は別のひったくり事件で服役し、今年1月に出所したばかりでした。
窃盗の疑いで逮捕されたのは、無職の男(41)。
警視庁によると、小関容疑者は先月4日、町田市で、自転車に乗った68歳の女性にオートバイで後ろから近づき、追い抜きざまに前かごから現金1万5000円余りが入ったバッグをひったくった疑いが持たれています。
男は、別のひったくり事件で服役し、今年1月に出所したばかりでした。
警視庁は、男が出所した5日後にはひったくりを始め、余罪は、2か月で18件、約150万円に上るとみて調べています。
<日本テレビ系(NNN)5月10日(金)16時23分配信より>
ひったくりで捕まって服役した男が、出所後、またひったくりを犯し、捕まったという事件です。
出所した5日後にはひったくりを始めたということですから、服役した意味は全くなかったのでしょう。
おそらく、今回の服役後も同じようにひったくりを繰り返すことは容易に想像できます。
もちろん犯罪者が更生する可能性もありますから、一度犯罪を犯した者を冷遇する、差別することはいけません。
しかし、人によっては、全く反省せず、刑務所を宿代わりに考えている者、1~2年の刑期など何とも思わない者、つまり再度罪を犯そうとする者が必ずいます。
このことが分かっていながら、釈放して、自由の身にするというのは、被害者の方から見れば耐えられないことではないでしょうか。
日本における罪の重さと罰の軽さに関しては、当ブログでも何度か紹介してきました。
個人的には、もっと罪を重くすることで、犯罪を思い留まる「抑止力」としての効果がある(期待できる)と考えています。
例えば、200円のお菓子を万引きして、もし逮捕されたら懲役3年(執行猶予なしの実刑)となれば、犯罪を犯す前にその価値があるかを考えるでしょう。
そこで犯罪の割に危険度が高すぎると考える多くの者は、そこで犯罪を思い留まるはずです。
結果的には、万引きという犯罪件数は大幅に減少するでしょう。
アメリカでは、三振法、いわゆるスリーストライク法という法律があります。
重罪(多くの州では死刑又は長期一年以上の刑の科せられる犯罪)の前科が2回以上ある者が3度目の有罪判決をうけた場合、その者は犯した罪の種類にかかわらず終身刑となるという法律です。
3回目はアウト(終身刑)、ということで野球の三振になぞらえて「三振法」の名がついたようです。
全ての州で導入されている訳ではありませんが、アメリカでは一般的に知られている法律のようです。
犯罪者にとっても3回目の犯罪は非常に重要となります。
どんな軽犯罪でも3回目で有罪になれば、終身刑(一生刑務所暮らし)となりますから、3回目の罪を犯す時には慎重になるでしょう。
逆に言えば、こんなくだらない罪で終身刑になったら大変だ、と罪を犯さぬようにびくびくしながら生活しなければならなくなります。
犯罪の抑止力としては非常に効果があるように思います。
日本でもこのスリーストライク法を導入してみれば、という意見があるようですが、そのまま同じ内容での導入ではないにせよ、これを真似て、何度目かの犯罪に対しては厳罰を行うという考えは良いと思います。
犯罪の抑止力としての効果は無い、犯罪者が刑務所内に増えると税金の無駄遣いになる、3度目が非常に軽い罪でも結果として終身刑になるなど、色々な問題はあるようですが、まずは各個人が考えること、議論することが大事ではないでしょうか。
投稿者: 総合防犯設備士 (2013年5月13日 16:20)