今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
銀行前でお札ばらまき、拾わせている間に現金盗む
銀行で現金を引き出した客を狙って千円札をばらまいて気をひき、その隙に現金を盗んだとして、警視庁はコロンビア国籍とみられる成人の男女4人を窃盗容疑で逮捕しました。
逮捕は19日。
5月末以降、東京、神奈川、埼玉の3都県で同様の事件が計22件(被害総額約7100万円)発生しており、同庁で余罪を調べています。
同庁幹部によると、4人は今月11日午前11時頃、江東区の駐車場で、銀行で現金を引き出したばかりの男性会社役員(42)に「マネーマネー」と声をかけて、事前に地面にばらまいておいた千円札約20枚を拾わせ、その隙に男性が乗用車に置いていた現金100万円などが入ったビジネスバッグを盗んだ疑い。
男1人は容疑を認めていますが、女2人は容疑を否認、男1人は「今は話したくない」などと供述しているという。
4人はいずれもメキシコの旅券を所持していましたが、男1人は「自分たちはコロンビア人で、メキシコで旅券を買った」と説明しているという。
<読売新聞7月20日(土)20時2分配信より>
銀行の前(中ではなく、前というがポイント)で、自分のお札をばらまき、親切心で拾ってくれる人の隙をついて、その人が銀行から引き出した現金を盗むという手口です。
普通の日本人なら、お金を落として困っている人を見たら、助けてあげようと思うでしょうし、さらに外国人が焦って、マネー、マネーと連発したら、それこそ必死になって拾うのを手伝うでしょう。
まさに日本人の性格を利用した外国人が考えた手口と言えます。
国によっては、落としたお金を、拾うのではなく、そのまま持ち去って自分のものにしようとするところもあるでしょうから、日本でしか通用しない手口かもしれません。
それにしても、計22件、被害総額は7100万円にも及ぶというのですから驚きです。
銀行の中ではなく、銀行の前というのも犯行のポイントだと思います。
ATMや窓口など、金融機関の建物内は防犯カメラが複数台完備され、さらに映像の記録から、人感センサー、カラーボールの配備、警備員の常駐など、かなり厳重な防犯体制です。
しかし、建物から一歩外に出ると、案外無警戒なのです。
駐車場内に防犯カメラがついているところの方が珍しいでしょうし、お金を引き出した後のことは、金融機関にとってはあまり関心がないのかもしれません。
当然かもしれませんが、まずは自分の身を守るための対策です。
ただ、利用者にしてみれば、安心してお金を預けたり、引き出すということが難しくなりますので、建物以外の防犯対策もしっかりしてほしいという要望もあるでしょう。
お金を引き出したところを待ち伏せされ駐車場で襲われたり、ひったくりに遭うという被害はけっこう耳にします。
トータル的な防犯対策を行う金融機関が出てくるとうれしいですね。
投稿者: 総合防犯設備士 (2013年8月 1日 19:12)