今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
謎が謎を呼ぶ 電車のつり革盗難多発
首都圏を走る電車で、つり革が盗まれる事件が多発しています。
被害は拡大を続け、盗まれたつり革は、JRと私鉄をあわせ、400個を超えました。
東急電鉄は、「最近、車内のつり革の盗難が発生しております。このような行為を発見されましたら、係員にお知らせください」と車内アナウンスを行っているようです。
首都圏の私鉄やJRで相次ぐ、つり革盗難事件。
被害は、拡大の一途をたどっています。
東急電鉄の課長補佐は「(2015年の)11月から現在までの間で、(田園都市線で)合計で180個以上。全く目的がわからないというのが、本音のところなんですけども」と話しました。
つり革の盗難は、2015年の年末ごろから始まり、東急電鉄の201個、東京メトロの80個など、これまでに首都圏の路線で、420個以上が車内から盗まれていました。
営業運転中の犯行とみられているが、目撃情報はないという。
そんなに簡単に盗めるものなのか、ドライバーでねじを外してみました。
外すのにかかった時間は、30秒ほどでした。家庭用はさみでも切断することが可能でした。
いずれも、走っている電車内では、かなり目立つ行為。
東京・新橋では、「プラスチックとか、高騰していると思うので、原料としてですね」、「マニアに結構、高い値で売れるんじゃないですかね、鉄道マニア」などの声が聞かれました。
リサイクル資源として転売されたのか。
リサイクル業者「高山金属商事」の専務は「つり革のような、プラスチック素材のものは、スクラップとしての価値はありません。産業廃棄物として処理するのに、お金がかかる」と話しました。
では、鉄道マニアなどに転売されたのか。
鉄道会社のイベントなどで、人気のアイテムだというつり革。
東京・千代田区の専門店「書泉グランデ」の関係者は「基本的には、車両が引退して、解体された時に、出てきた余剰として、少し仕入れさせていただいています。こちらでは、個人の買い取りはしてはいないので」と話しました。
この店では、個人からの買い取りはしておらず、盗品が店頭に並ぶことはないという。
さらに、オークションサイトへの出品を調べてみましたが、首都圏の鉄道会社のつり革は確認できませんでした。
謎が謎を呼ぶ、つり革盗難事件。
警視庁は、同一犯による犯行の可能性もあるとみて、連続窃盗事件として捜査を進めています。
<フジテレビ系(FNN) 2月2日(火)0時23分配信より>
ある漫画で鉄道マニアに人たちが、使われなくなった電車のつり革をもらって大喜びするというシーンがありました。
その中では盗まれたわけではなく、所有者が善意でマニアの人たちに与えるというものでしたが、所有者ではない第三者からすれば、マニアに高値で売れるかもしれないというヒントになったかもしれません。
原料や金属類は今供給過多となっているようですから、素材として狙われているのではないと思われます。
仮に大量に盗んだとしても買い取る側のメリットがないため、高くは売れないのでしょう。
そうなるとやはり、マニア向けの窃盗犯ではないでしょうか。
業者に大量に持ち込むのはいかにも盗品として怪しまれます。
その業者が盗品と知りながら買い取るような違法な店だったら別ですが、普通は警察に通報するなどします。
そうなると自分で売りさばくなど転売ルートをとるでしょう。
ネットオークションや掲示板での個人売買、会員専用サイトでの販売など、自分で売る相手を探して取引する方法です。
リスクはありますが、中間マージンや手数料を気にしなくても良いので利益率が高くなります。
また共犯者(業者を介さない)が少なく、捕まりにくいという面もあるかもしれません。
警察もこのような転売ルートを徹底的につぶし、売りにくい、買いにくい環境を作りあげてほしいものです。
投稿者: 総合防犯設備士 (2016年2月10日 11:19)