今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
長野のホテル 宿泊客の財布窃盗犯逮捕 昨年夏の事件にも関与
長野県山ノ内町の志賀高原のホテルで1月、高校生175人の財布などが盗まれた事件で、窃盗容疑などで逮捕されたホテルの元アルバイト従業員の男(47)の町内の自宅から、昨年8月に同じホテルであった別の大量盗難事件で盗まれたとみられる財布数点が押収されていたことが、捜査関係者への取材で分かりました。
男はこの事件への関与も認める供述をしているという。
捜査関係者によると、昨年8月に被害に遭ったのは、ホテルサニー志賀で開かれた大手学習塾「早稲田アカデミー」の合宿に参加した中学生約340人。
塾側が生徒から集めてホテル内で保管していた財布やスマートフォンなどが盗まれました。
県警は3月下旬に男の自宅を家宅捜索し、ホテルの合鍵や1月の事件で盗まれたとみられる財布以外にも、学習塾の生徒のものとみられる複数の財布も押収。
1月の事件について「財布は車で運んだ。1人でやった」と容疑を認めているといい、県警は防犯カメラに映らない従業員用の裏口から侵入したとみて調べています。
<毎日新聞 4月9日(土)21時10分配信より>
私の記憶があいまいでしたが、以前、合宿等でホテルに宿泊していた学生の金品を一箇所に集め、それがまとめて盗まれたという事件がありました。
その後の続報はニュースになっていませんでしたが、まだ犯人が逮捕されていなかったのは驚きでした。
今回逮捕されたのはそのホテルの元従業員の男でした。
今年の1月の窃盗事件で逮捕され、昨年8月の事件にも関与していたことが分かったようです。
侵入手口として、防犯カメラに映らない従業員用の裏口から入ったということですから、やはり現場の状況を良く知る者の犯行だったということです。
ホテルが宿泊客の金品をどのように保管しているかということは従業員や出入している業者など、内部の事情に詳しい者でないと知り得ない情報です。
このような事件が発生した場合、外部の者による犯行は当然ですが、内部犯行も可能性として考えられます。
今回、昨年8月に発生した事件では犯人が逮捕されず、再度今年1月に発生した事件でようやく逮捕されたことも不思議です。
また、元従業員というのも真っ先に疑われても仕方がない存在のように思います。
辞めた理由にもよるでしょうが、少なからず元勤務先に恨みを抱く者もいるでしょうから、彼らが事件に関与していないかはまず捜査の対象になるでしょう。
詳しい動機等は分かりませんが、今回の事件の影響は大きいと思われます。
宿泊客の金品が2度に渡って大量に盗まれたというのはホテルの信用を大きく損ないました。
イメージも決してよくありませんから、これから元の状態に戻すのは大変だと思われます。
被害に遭われた宿泊客への補償は当然ですが、その他のお客様に対する説明や対応をどのように行うか、厳しい状況が待っています。
このような事態を想定することは難しいですが、万が一の可能性のために事前の対策、防犯対策が必要なのです。
投稿者: 総合防犯設備士 (2016年4月19日 11:48)