今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
マイナンバー制度、マイナス金利でタンス預金に人気集まる?
銀行などの金融機関ではなく、現金を自宅で管理する「タンス預金」に注目が集まっています。
報道によると、昨年秋、マイナンバー制度がはじまったころから売れ始め、前年の2倍の勢いで家庭用金庫が売れているホームセンターもあるという。
背景には、マイナンバーを通じて、政府に資産を知られるのではないかといった不安があるという。また、マイナス金利の導入によって、さらに銀行金利が下がり、手数料のことなどを考えると、「自宅で保管した方が得」と考える人が増えたことも影響しているとされています。
なぜ、マイナンバーやマイナス金利の導入で「タンス預金」が増えるのか。資産の管理方法としてどう評価できるのか。資産税の問題に詳しい松永容明税理士に聞きました。
●「タンス預金」はなぜ増えたのか?
「『タンス預金』のメリット・デメリットを考える前に、まず、なぜタンス預金に注目を集まっているのかを考えてみましょう。すでに指摘されているように、その原因としては『マイナス金利』と『マイナンバー制度』が導入されたことがあげられます」
松永税理士はこのように述べます。
「マイナス金利とは、ざっくり言えば、日銀が民間銀行からお金を預かるときに、利息を払うのではなく、お金の保管料を徴収するということです。
銀行が私たちから預金をしてもらう時に、マイナス金利を設定すると、だれもお金を預けてくれなくなるので、そのようなことはしませんが、マイナス金利の導入によって、これまでも低かった預金金利はさらに下がり、限りなくゼロに近い金利になっています。
私たちが、銀行にお金を預ける理由は、主に(1)金利収入、(2)公共料金等を支払い忘れ防止、(3)泥棒や自然災害から資産を守ることです。マイナス金利の導入によって、このうち(1)の期待は、ほぼゼロになったといえるでしょう。
また、2018年から銀行口座、証券口座にマイナンバーが付与されることになっています。これによって、税務署に財産を把握されてしまうことになります。たとえば、遠隔地に預金口座を作っても、簡単に税務署に預金額を把握されることになるでしょう」
●盗難、火事、自然災害による「逸失リスク」がある
「『タンス預金』によって、税務署からプライバシーを守れるといったメリットはあるでしょう。しかし、一方で、盗難、火事、津波等の自然災害によって財産を失ってしまうリスクがあります。あと、当たり前ですが、資産が増えることもありません。
それでは、税務署からプライバシーを守れて、なおかつ、盗難、自然災害等から財産を守れる手段はあるのでしょうか?
それは、マイナンバーとの『ひも付き』がないこと、取引の相手方が信用できる者であること、あるいは現金、金などの現物資産に転換する。そして、万が一の時に、すぐに現金に換金できるものはなにかということです。
思いつくままに述べると、海外金融・不動産投資、REIT(不動産投資信託、ただし、国内ものは証券会社経由なのでダメです)、金投資、銀行の貸金庫等などです。
4月1日の『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、アメリカでの預金監視強化の動きに対して、『米政府が最も目を光らせておきたい個人や団体などと共に、罪のない人までも金融システムから追い出されている。これは米政府も予測しなかったこと』と書いています。日本でもその懸念が妥当しそうです」
松永税理士はこのように述べていました。
<税理士ドットコム 4月26日(火)10時57分配信より>
マイナス金利になると、金融機関にお金を預けても利息が増えることがなく、逆にお金の保険料として徴収されてしまう。
これが私たちの預金に適用されると誰もお金を預けることがなくなるので、そのようになることはないようですが、金利は限りなくゼロに近づき、預金者のメリットの一つが失われていることは事実でしょう。
また、マイナンバー制度導入により個人の預金残高が政府や事務所に管理、把握されることを嫌う人が増えているのも事実でしょう。
その結果、預金を金融機関に預けず、個人の自宅、タンス預金によって自分で守ろうという考えを持つ人が出てくることも理解できます。
ただ、それには相応のリスクがあることも認識すべきです。
記事の中でも触れられていますが、盗難や自然災害からどのように守るかが重要です。
泥棒や地震等で財産を失ってしまえば、誰も補償してくれません。
もしタンス預金をするのであれば、保管分がほぼ全額補償されるような保険や共済等に加入しておくべきです。
万が一の事故に対する補償を想定しておくとより安心です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2016年5月25日 16:42)