今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
長野ホテル宿泊客の金品窃盗犯に実刑判決3年6ヶ月
長野県山ノ内町のホテル「サニー志賀」で昨年8月と今年1月、中高生の貴重品が盗まれた事件で、窃盗と建造物侵入の罪に問われた同ホテルの元アルバイト従業員の男(47)に対し、長野地裁(稲田康史裁判官)は19日、懲役3年6カ月(求刑懲役5年)の判決を言い渡しました。
判決は、男がアルバイト従業員としてサニー志賀に勤務していたことから「管理態勢などを把握し、合鍵も入手し、侵入・窃盗を繰り返した。背信的で悪質だ」と述べました。
判決によると、男は昨年8月、無施錠の同ホテルに侵入し、ロビーに保管されていた合宿中の中学生約330人分の現金入りの財布や携帯電話(計約900万円相当)を盗みました。
今年1月にはマスターキーで忍び込み、合宿中の高校生約170人分の携帯電話や現金入りの財布(計約390万円相当)をフロントから盗みました。
<朝日新聞デジタル 7月20日(水)2時25分配信より>
昨年、今年と話題になりましたホテルに合宿中の学生の金品が大量に盗まれるという事件ですが、ホテルの元アルバイト従業員の男が逮捕され、今回3年6ヶ月の実刑判決が言い渡されました。
元勤務先への背信行為として悪質との判断で執行猶予なしの実刑判決となりました。
2回の窃盗事件で約500人分1300万円近い被害金額でした。
この数字にも驚かされますが、このホテルが被った損額に比べると微々たるものでしょう。
ホテルという宿泊客、利用者が絶対的に信用する場所で発生した窃盗事件です。
元従業員という個人が私利私欲を肥やすために行った犯罪ですが、ホテルとして何の対策も講じていなかったのか、管理体制に不備はなかったのか、退職者への対応をどうしていたのか、ホテル側が責任を問われかねない項目がいくつも考えられます。
言い方は悪いですが、現時点でこのホテルに泊まりたいと思う人は少ないでしょう。
この事件をバネにして、防犯対策や教育、管理体制が見直され、ホテルとしてワンランクグレードアップするようなことになれば良いですが、それまでの道のりは平たんではないでしょう。
一時的かもしれませんが宿泊客は激減するでしょうし、ハード面を強化するのはかなりの費用がかかります。
ソフト面での強化には時間がかかりますし、今後の課題・問題が数多く残されています。
そこまで経営が続けばよいですが、その前に破綻してしまうことも充分あるでしょう。
元従業員の犯行だからうちは関係ないと逃げることはできません。
一つの犯罪が及ぼす効果、悪影響も考慮しながら色々な対策を講じる必要があります。
投稿者: 総合防犯設備士 (2016年8月12日 17:11)