今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
コンビニのATMから19億円一斉引き出し
全国のコンビニエンスストアのATM(現金自動預払機)から、およそ19億円が一斉に引き出された事件で、警視庁は、指示役とみられる暴力団の幹部ら2人を逮捕しました。
窃盗などの疑いで逮捕された指定暴力団・山口組系3次団体幹部の男(37)と、組員の男(32)は、2016年5月、東京・渋谷区のコンビニなど5店舗に設置されたATMから、南アフリカの銀行のデータを使って偽造したカードを用いて、現金あわせて490万円を不正に引き出した疑いが持たれています。
男(37)が、「出し子」と呼ばれる実行役を集め、男(32)は、出し子に白い無地のカードを渡して引き出しを指示し、犯行後、現金を回収していたとみられています。
一連の事件では、別の山口組系組員が、8月、千葉県警に逮捕されており、警視庁は、暴力団の組織的な関与があるとみて、調べを進めています。
<フジテレビ系(FNN) 8月25日(木)6時29分配信より>
コンビニには防犯カメラが完備されているところがほとんどです。
コンビニで万引きや強盗、振込み詐欺等の犯罪を犯すと、自らの姿が防犯カメラに記録されてしまいます。
今回逮捕された暴力団員による19億円もの大金が一斉に引き出された事件ですが、彼らは防犯カメラに映ることで犯行を思い留まることはなかったのでしょうか。
19億円もの大金が絡んでいれば多少のリスクは関係ないかもしれません。
または上の指示は絶対で逆らうことが許されない組織なのかもしれません。
先日の相模原の殺傷事件でもそうですが、防犯カメラに絶対的に依存する防犯対策は危ういということです。
自分が泥棒だとしたら防犯カメラがついているところでは絶対に犯行はしたくありません。
自分の姿が記録され、それが警察に渡り、自分の犯行が特定される可能性が高いからです。
もしどこかに泥棒に入るとしたら、それは防犯カメラや防犯システムが入っていないところを選びます。
このように一般的な泥棒対策においては防犯カメラは絶大な効果を発揮すると思われます。
ところが、あの殺傷事件の犯人や今回の暴力団員のように絶対的な目的がある場合、つまり人を殺すということ、大金を手に入れるということが可能なターゲットに対しては多少の妨害程度では犯行をやめないということです。
もっと強力な対策や犯行自体を不可能にする対策、犯行を継続できないような対策が必要となります。
どのような犯罪内容、どのような犯罪者を想定して対策を行うのかで変わってきます。
投稿者: 総合防犯設備士 (2016年9月14日 18:10)