今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
暴力団員から泥棒へ転向増加
昨年末時点の全国の暴力団勢力は約3万9100人で、統計がある1958年以降、初めて4万人を割りました。
前年より約7800人減り、12年連続の減少。警察庁が16日発表しました。
同庁は「暴力団排除条例や暴排運動の広がり、取り締まりで暴力団の資金獲得活動が苦しくなり、勢力の一層の減少につながっている」と分析しています。
暴力団に所属する構成員(組員)は昨年、約2千人減の約1万8100人と初めて2万人を割り、所属しないが外部から組織の活動に関わる準構成員が約5900人減の2万900人。
暴力団対策法が施行された25年前の勢力約9万600人から半分以下に減りました。
一方、暴力団から離脱した人がその後、摘発される事例の多いことが初めて明らかになりました。
11~15年の5年間に脱退届などで離脱が確認できた計9195人のうち、離脱から2年以内に何らかの犯罪で摘発されたのは2660人。
窃盗が目立つといい、警察庁は「生活に窮して犯罪に走る傾向がある。離脱者の就労支援などを進める必要がある」としています。
団体別の勢力は、最大の山口組(本部・神戸市)が約2300人減の1万1800人、15年8月に山口組から分裂、結成された神戸山口組(同・兵庫県淡路市)が約600人減の約5500人。
両団体が対立抗争状態にあると同庁が判断した昨年3月以降、抗争に絡む事件は今月6日までに19都道府県で44件発生しています。
<朝日新聞デジタル 3/16(木) 11:06配信より>
暴力団勢力の減少というのは一見良いニュースのような気がしましたが、離脱者が窃盗犯、つまり泥棒に転向して別の犯罪を繰り返す傾向にあるということは結果として良くなったのかは分かりません。
また、組織に所属している状態より、離脱した者の方が摘発される事例が多い、要は警察に捕まりやすくなるということでしょうか。
暴力団という組織に守られた状態より、個人で行う犯罪の方が警察からすれば対処しやすいのかもしれません。
確かに、暴力団を抜けた者にすれば、その後きちんとした職業に就ける可能性は低いように思います。
知人や友人、親や親戚の紹介などあれば可能かもしれませんが、元暴力団員という事実はハードルを相当上げることになっているのではないでしょうか。
過去に違法なことはしていなくても元犯罪者のような目で見られることを非難はできないような気がします。
ただ、本人が更生を望むのであれば、その機会は与えられるべきですし、社会が受け入れなければなりません。
暴力団の摘発で組織を弱体化させることは大いに結構ですが、離脱者が犯罪者に転向しないような体制や仕組みの構築、受け入れ先の提携企業を募るなど別の面での対策も必要でしょう。
投稿者: 総合防犯設備士 (2017年3月31日 11:51)